北谷町で「米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会」が開かれた23日の夜、一本の電話を受けた。電話口の女性は泣いていた
▼この女性は会場近くまでは行けたものの、群衆の中に入って行く勇気が持てず、離れた場所から大会の様子を見るのが精いっぱいだった。長時間、激しい雨に打たれ続けて体は冷え切っていた。その雨の一粒、一粒が体に当たるたびに忌まわしい記憶が甦(よみがえ)ってきたという
▼1960年代の夏のある夜、米兵から性的暴行を受けたことをこの女性は告白した。さまざまな事情から、警察に被害届を出すことはできなかった。これまで誰にも言えず記憶を固く封印してきたと涙声で語った。「事件」に遭ったあの日も激しい雨だったと言った
▼女性との会話はわずか40分余という短い時間だった。彼女の告白が事実であったのかどうか、もはや「事件」発生から40年余も経過した今となっては、それを証明する手段も客観的事実もない
▼多少冷静さを欠いて泣いてはいたが、彼女が語る「事件」の詳細に矛盾は感じられず証言は終始一貫していた。被害者のみが知るであろう事実も語っていた
▼「基地があって、米兵がいる限り彼らの犯罪はなくならない」。彼女の「事件」の真偽は別として、彼女が語った心からの叫びは、沖縄がさらされている現状から出た事実そのものだ。
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