
ぜんそく発作の原因には、ハウスダストと呼ばれる、家のほこりやダニ(アレルゲン)、風邪、アルコール、たばこの煙、におい、台風や季節の変わり目などの気象の変化、ストレスなど、数え切れないくらい、多くのものが発作を引き起こす原因になり得ます。
例えば、ハウスダストが原因で発作を起こす人は、ハウスダストを吸わなければ発作が起こらなくなるかといえば、決してそうではありません。疲れやストレス、風邪など、それ以外の原因でも発作は誘発されます。
ぜんそく発作は、ほとんどの場合が単独の刺激で起こるのではなく、複数の刺激が合わさり、それが発作を起こす力になります。そして、その力に抵抗し、発作を防ぐ力が人には備わっています。この力の大きさは人それぞれ違います。
昔から体を鍛えると発作が少なくなると言われてもおり、小児ぜんそくのサマーキャンプにも水泳や自律訓練法などをはじめとする種々の鍛錬療法が取り入れられています。
「心身を鍛える=ぜんそくが治る」ということではありませんが、体力がつけば発作が出にくくなるということは、これまで多くの患者さんを診て実感しています。
図を見てください。この図ではハウスダスト、たばこ、気象の変化(例えば台風接近など)、ストレスの4つが合わさったものが、発作を起こす力になっています。
この場合、左の人は、自分自身に備わっているぜんそく発作を防ぐ力が、ぜんそく発作を起こす力よりも大きいので発作は起こりません。
それに比べて、右の人は、発作を引き起こす力は左と同じ大きさですが、発作を防ぐ力が小さいため、発作が起こってしまいます。
発作を起こさないようにするにはどうすればよいか分かりましたね? それは一目瞭然(りょうぜん)です。
まず1つは、発作を起こす原因を減らすことです。
気象の変化のように不可抗力のものもありますが、自分自身で注意(努力)すれば避けることができる事柄はたくさんあります。
例えば、たばこを吸う人は禁煙する、部屋の掃除をしてハウスダストを除く、ストレスをためないような規則正しい生活を送る―、などです。
2つ目は、発作を防ぐ力を大きくすることです。そのために体力に応じた方法で体を鍛えることです。体力のない人は歩くだけでもよし、乾布摩擦で皮膚を鍛えるのもよし、水泳やジョギング等、長続きするものならなんでもいいのです。
ぜんそく患者さんの一部の人は急激な運動で発作が誘発されることもあるのでウオーミングアップを十分にしましょう。
「できない」というのは言い訳ではありませんか? ぜんそくの治療で重要なことは、病気をよく理解し、決して医者任せにしないことです。
ぜんそく治療の大部分は自分にしかできないことです。主治医は自分、医師は手助けをする副主治医にすぎません。
(平良雅裕、まちなと内科クリニック)
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