ことし2月に本島中部で起きた米兵女子中学生暴行事件で、在沖海兵隊が統一軍事裁判法に違反したとして高等軍法会議にかけることを決めたタイロン・ハドナット2等軍曹(38)。2月の那覇地検の不起訴により日米地位協定で定められた日本側の第1次裁判権が放棄され、身柄を引き取った米側が第2次裁判権を行使した形だ。同様の事例として、昨年11月の米軍岩国基地(山口県岩国市)の海兵隊員4人による日本人女性暴行事件では、広島地検は集団女性暴行容疑で送検された4人を不起訴にしたが、米軍は軍法会議で訴追した。
高等軍法会議は女性暴行や殺人など凶悪犯罪を審理し、最高刑は死刑となっている。高等軍法会議は陪審制となっており、最低5人からなる陪審員が有罪か無罪かを評決し、刑は議長の軍事裁判官が言い渡す。
軍法会議の前には予備審問が開かれ、会議を招集するか不起訴にするかを決めるほか、容疑者は意見を述べる機会がある。予備審問では、罪を認めて争わない代わりに減刑などに合意する司法取引も頻繁に行われる。
外国法に詳しい川満敏弁護士は「米国は証人調べが厳格で、女性暴行なら被害者本人が呼ばれる。しかし、(日本側捜査で告訴を取り下げた)被害者が軍法会議に出席するとは考えにくい。本人が来なければ証拠不十分となる確率が高く、無罪も考えられる。今回の事件でも罪を認める代わりに、女性暴行でなく強制わいせつ(の刑)を適用するなど司法取引の可能性はある」と指摘した。
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