2度ならず3度もとなると、事態を深刻にとらえざるを得ない。28日未明に宮古島で発生した震度4の地震に対する「緊急地震速報」で、またしても予測システムの信頼性に疑問符がついた。速報は地震発生を事前に住民に知らせ、危険回避に結び付けるものだが、その前提となるのは「信頼」である。それが崩れれば、予測意義が薄れる。
緊急地震速報システムが今回の宮古島の地震を検知し、気象庁は昨年10月の速報本運用開始以来初めて発表した。しかし、発表は初期微動(P波)を検知してから約10秒後。宮古島では既に5、6秒後に主要動(S波)の揺れが始まっていた。結局、速報は間に合わなかった。
遅れの原因について気象庁は、震度が情報を発表する基準ぎりぎりだったとしている。今回の経過を見ると、P波が検知されてから4・6秒後に予想震度第一報が出された。「震度4程度」である。この数字は放送などを通じて住民に知らせる基準に達しないものだ。10・6秒後にはじき出された第3報で「5弱以上」となり、発表に至ったが遅かった。
同システムの技術的な疑問がクローズアップされたのはこれで3度目である。昨年10月1日に本運用された当日のまさに開始直前、神奈川県箱根町で地震があったが、速報システムが予想した震度は4程度以上。しかし実際に観測された震度は「5強」である。
今年1月には石川県で「5弱」の地震があったが、このときも「震度4」と低く予想したため速報基準と判断されず、発表されなかった。
本来なら本運用開始後、発表されるべき地震があったが、予測が違った。さらに今回は、発表基準の震度を予測したが、発表は揺れ到達後になるという速報スピードの問題が露呈された。
基準ぎりぎりで分析が難しいというのは理解できる。しかし、人命にかかわる速報だけに、信頼が失われれば意味をなさなくなる。
観測機器設置が十分ではないことも浮き彫りになってきた。加藤祐三琉大名誉教授が指摘しているように、有人島すべてに機器設置を進めるべきだろう。
政府の地震調査委員会は今月24日、30年以内に震度6弱以上の地震に見舞われる確率を表した予測地図を更新し、発表した。関東南部から四国にかけての太平洋側などで昨年に比べて確率が高くなっている。沖縄も例外ではなく確率の「高い」地域に属する。
震度5前後の予想精度の課題がこれまでの事例で浮き彫りになったのだから、早急に改善する努力をしてほしい。予算を重点的に投じ、信頼性の高い精度を確立するべきである。
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