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2008年5月22日

 脅威から逃れる小動物を標的と見定め、米兵は銃口を向けたのだろうか。この理不尽な行為をなぜ日本政府は追及しなかったのか。暗たんたる思いがする

▼国際問題研究者の新原昭治さんが入手した伊江島米兵発砲事件(1974年)をめぐる米政府外交電報は、日米間の歪(ゆが)んだ関係をあぶり出す。米政府の高圧的態度に追随する日本政府の政治的打算。県民は埋没するばかりだ
▼伊江島射爆場で20歳の男性を撃った米兵は「走らなかった他の多人数の人間を捕まえなかったのはなぜか」との軍調査局員の問いに、「走らないから面白くない」と答えたという。射撃ゲームに興ずる子どものような言いぶりだ
▼米軍の行為を「公務」と正当化する米政府に対し、日本政府は裁判権を主張するが、抵抗は腰砕けに終わる。「解決を遅延せしめることは、日米友好関係を維持する見地からも好ましくない」と判断し、裁判権を放棄した
▼54歳になった男性は「走らないから面白くない」という発言に対し、「納得できない理由で撃たれる。人として扱われていない証拠だ」と語った。恐怖と憤りを置き去りにしたまま両政府が幕引きを図った事実を男性は初めて知った
▼基地の脅威を取り除けという要求を置き去りにしてはならぬ。34年前の電報の裏にある県民のメッセージを両政府は受け止めてほしい。


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