平和で、夢と希望に満ちた豊かな沖縄をつくることは、県民の願いだ。その実現に向けた一歩につなげるための9日間が始まる。地域の県民代表を選ぶ県議会議員選挙が30日、告示される。
与野党構成が焦点
前回より一つ減った14選挙区で、29日までに計74人が立候補を表明しており、激しい前哨戦が展開されている。
立候補予定者は、それぞれ基本政策を発表している。県議選は国政選挙と異なり、無所属での立候補も多い。それだけに政党色にとらわれない個別の地域が抱える課題を解決するための公約を示し、これからの沖縄の姿を描く、政策論争を期待したい。
県議選の結果は、現在の県政評価に直結する。県議会の現有勢力は、与党側27議席に対し、野党側が20議席、欠員1。今県議選の焦点は、自民、公明など県政与党が過半数を維持できるか、社民、社大、共産、そうぞう、民主など野党・中立勢が議席を伸ばせるか、与野党攻防に注目が集まる。
立候補予定者は現職31人、前職1人、元職4人、新人38人。与党系34人、野党系33人、中立7人。2006年12月に就任し、約1年半を迎える仲井真弘多知事の下での初の県議選は、仲井真県政の評価が最大の争点だ。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題は、過去2度の県議選同様、今回も主要争点に変わりはない。ただ、保守県政と政府の蜜月は、06年5月の米軍再編で日米両政府が辺野古沿岸部に代替施設を建設する新たな移設案で合意したことでこじれている。
県内移設を容認する仲井真知事だが、辺野古移設の条件とする沖合移動は、政府から明確な回答は得られていない。米軍再編で、県民が期待した負担軽減は一向に見えず、基地機能強化だけが進む。足踏み状態の基地問題をどう動かすか。積極的な論戦が求められる。
県民の中に、変わらぬ暮らし向きへの不満の声は絶えない。沖縄振興計画で目標に掲げながら遠く及ばない県民所得の増額や、改善が厳しい雇用状況など県内格差の広がりも深刻だ。
新たな観光資源としてのカジノ導入の是非、育児支援の充実、収入格差による教育機会の不平等の是正なども争点だ。県民生活にかかわる種々の課題が山積する。
豊かな暮らしへの一票に
4月から始まった後期高齢者医療制度(長寿医療制度)は、国政の懸案だが、今県議選は制度開始後、初の地方議会選挙となる。そのため中央政党は、幹部を県議選応援に送り込み、国政選挙さながらの取り組みを繰り広げている。県政評価に加え、選挙結果は国政の政権運営にも影響するとの見方だ。国政を巻き込む今県議選は、早急に求められる課題解決に向け、一票を投じる重要な選挙だ。
その中で気になるのは、下落を続ける投票率の動向だ。県議選の投票率は、県知事選と重なった1976年(第2回選挙)が82・28%で最も高いが、それ以降は下がる傾向にある。92年から3回連続で過去最低を記録し、前回の9回選挙(2004年)は58・72%と6割を割り込んでいる。
誰に投票しても何も変わらない、という認識で投票所に足を運ばないとすれば、実に残念だ。選挙は、民主主義の根幹をなす重要な制度であることは言うまでもない。有権者の一票がより良い県民の暮らしづくりにつながるはずだ。
何も変わらないという前に、立候補者一人一人の公約、政策を点検し、候補者が有権者に何を伝え、何を実行しようとしているのか、徹底的に確認したい。
候補者は、地縁、血縁や特定の集合体による「ぐるみ選挙」ではなく、きめ細かい政策を提示し、論争の機会を広げてもらいたい。
有権者である私たち県民一人一人は、政策を読み、あるいは耳を傾け、希望を持って暮らせる県づくりに取り組む人物を選択したい。きょうから始まる選挙期間は、私たちの暮らしを考える好機だ。
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