「誰もやっていない研究に取り組みたい」と話す中村昇さん
【今帰仁】今帰仁村出身で神戸大学名誉教授(宇宙化学)の理学博士・中村昇さん(66)=神戸市灘区=が20日から米航空宇宙局(NASA)のシニア研究員として勤務する。隕石(いんせき)の研究者としての多くの業績が認められた。中村さんは、渡米を前に「向こうでは、世界で誰もやっていない研究をしたい」と意気込んでいる。
中村さんは、1999年に神戸市北区に落ちた「神戸隕石」を落下直後に鑑定し、地球上にない放射性物質2種類を国内で初めて確認したことで知られる。神戸大教授時代に隕石の成分分析方法を開発し、2004年度には地球化学分野で顕著な研究業績を収めた科学者に贈られる三宅賞を受賞した。
62年に神戸大入学。卒業後は東京理科大助手などを経て91年から神戸大教授。06年に退官した後も自宅などで研究を続け、国際学会で発表していた。「年齢で制限されずに研究を続けたい」と考えていたところ、NASAがシニア研究員を募集していることを知り応募。2月に採用が決まった。渡米期間は約2年の予定。シニア研究員で採用されたのは、日本人で2人目という。
天底小、今帰仁中、北山高で学んだ中村さんは、よく地元の浜で遊んだという。「浜にある石の色の違いが不思議だった。今思えばあれが原点だったかも」と振り返る。今帰仁村運天に暮らす母マツさん(91)は「2年も離れるのは心配」と話すが「小さいころから親孝行で、一生懸命努力する子だった」と誇らしげ。
中村さんは18日に出発し、米テキサス州のNASAジョンソン宇宙センターに勤務する。中村さんは「火星からの石のサンプルが来たら、隕石と比較分析してみたい」と声を弾ませた。(慶田城七瀬)
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