政府は低下している地域の防災力を補うため、地域が助け合う体制を日ごろからつくるよう求めた2008年版の防災白書を閣議決定した。
6400人余が亡くなった阪神・淡路大震災(1995年1月)では、約8割の人が家族や近隣住民に救出されている。災害時には、地域の助け合いが大きな力になる。地域力の再生、強化を早急に図る必要がある。
福田康夫首相は07年10月の所信表明演説で「災害が発生した場合の『犠牲者ゼロ』を目指す」と述べた。
「犠牲者ゼロ」には、国民の意識改革も大きな鍵となるが、白書には地域防災力の低下を示す数字が並んだ。国民の危機意識が具体的な行動につながっていない現状が浮き彫りになった。
1954年に202万人いた消防団員は、07年には89万人と半分以下に減少し、防災支援の新たな担い手が不足している。50歳以上の団員の割合は、85年の7・0%から07年には14・4%と倍増し、高齢化が進んでいる。
地震で倒れないよう家具を固定している人は、02年の14・8%から07年には24・3%に増えたものの、政府目標の60%には遠く及ばない。
神奈川県の07年調査では、ボランティア活動に56・9%が関心を示したが、「活動中」「活動をしたことがある」人は23・1%にとどまった。
白書はその対策として自治会やボランティア活動に、日ごろから住民に参加してもらい「顔の見える関係が必要」とした。防災に関する政策・方針決定への参画など、女性の地域防災への参加促進も求めた。
しかしながら、共働き世帯が増え、人間関係も希薄になった地域社会で、多くの住民に活動へ参加してもらうことは容易ではない。防災体制を充実させることの大切さを、住民に認識させることは国、自治体の責務である。
一方で、防災は国民一人一人の問題である。日ごろの備えで被害を最小限に抑えることができる。国任せではいけない。
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