社説 RSSicon

家電量販店処分 悪慣行は直ちに是正せねば2008年7月2日 
このエントリーをはてなブックマークに追加

 取引先の従業員に「ヘルパー」として幅広い業務を手伝わせていた家電量販店最大手のヤマダ電機に対し、公正取引委員会が独占禁止法に基づき排除措置命令を出した。
 処分は家電メーカーなど製品の納入業者に従業員を派遣させ、無報酬で商品搬入や陳列、販売業務などを手伝わせていた行為は独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」に当たるというものだ。違反行為の中止と再発防止を求めた。
 ヤマダ電機側にしてみれば、取引によって培われた企業関係の延長上にある一種の商慣行としての意識が強く、違反行為との認識は薄かったのかもしれない。「優越的地位の乱用」では、談合やカルテルと違い、課徴金が科されることもない。
 だが物事には程がある。取引先など相手側の立場には配慮こそすれ、頓着せず弱みに付け込むような振る舞いはいただけない。家電量販店が「優越的地位の乱用」で行政処分されるのは初めてである。この事実を重く受け止めねばなるまい。
 公取委によれば、ヤマダ電機は2005年11月から昨年5月まで全国の延べ361店舗の新規開店や改装セールに合わせ、大手家電メーカー系の販売会社など納入業者約250社に従業員の派遣を要求。派遣された「ヘルパー」延べ16万人余に店頭作業や接客をさせていた。
 メーカー側が自社製品の販売促進策の一環として量販店などの店頭で接客する行為は、普通に行われている。けれども他社製品の販売まで要求するのは明らかに行き過ぎだ。「ただ働き」の慣行は直ちに改めるべきだ。
 「ヘルパー」には別の問題も生じかねない。派遣先の量販店での労働条件や待遇に加え、休暇が取りにくくなるなど自社の業務命令とのはざまで苦しむ恐れがあるからだ。
 安売り路線で急成長したのが家電量販業界だ。企業の成長にコンプライアンス(法令順守)の強化が追い付いているか。今回の処分は、業界全体への警鐘でもあることを肝に銘じる必要がある。


次の記事:>>
アイコン 今日の記事一覧 アイコン 今月の記事一覧 アイコン 最近の人気記事


関連すると思われる記事

powered by weblio


PR



社説一覧


過去の記事を見る場合はこちらをクリックするか、 ページ右上のサイト内検索をご利用ください。