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泡瀬埋め立て 署名人変更は時代に逆行2008年7月3日 
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 中城湾港泡瀬沖合埋め立て(沖縄市東部海浜開発)事業で、米軍泡瀬通信施設の保安水域にかかる第2区域の共同使用協定書に署名しない方針を打ち出した東門美津子沖縄市長に代えて、署名人を仲井真弘多知事にすることを沖縄総合事務局と県が決めた。
 東門市長は昨年12月、第2区域現行計画の「推進は困難と判断した」と表明。ことし4月には署名しないことを国と県に通知している。
 第2区域の土地利用の主体である沖縄市長の考えを国と県が無視する形で、埋め立てを推し進めていくのはいかがなものか。
 目的を達成するためには「手段を選ばず」という手法はあまりにも乱暴である。
 自治体の主体性を奪うような署名人変更は、地方の時代に逆行する行為と言わざるを得ない。
 東門市長は泡瀬沖合埋め立て事業を(1)沖縄市の経済発展につながるのか(2)干潟等の自然環境は守れるのか―の観点を基本に検討したという。
 その結果「新たな基地提供になり得るとともに、土地利用に制約が生じる」ことや「(絶滅危惧(きぐ)種の)クビレミドロが生息していることや残余の部分は大半が干潟にかかる」ことなどを理由に「推進は困難」との判断に至った。
 県は「(第2区域の)埋め立て地には、県が計画している臨港道路や外周緑地帯の整備が含まれる。事業を円滑に推進するためには、共同使用協定の継続が必要だ」としている。
 県の意向よりも、市長の責任で判断した結果の方が軽いということにはならないはずである。
 国と県が決まりを変えてまで自らの考えを押し付けることは地方分権に反する。署名人が容易に差し替えられるということは、協定書が単なる形式にすぎないということにもなりかねない。
 泡瀬沖合埋め立て事業については、賛否があるだけにより慎重な対応が必要だ。
 強行姿勢とも受け取られかねない署名人変更は問題解決をさらに難しくするばかりか、対立を深刻化させる懸念がある。
 地元の代表である沖縄市長が共同使用協定書の署名人となることが自然な形である。露骨な「沖縄市長外し」は市だけでなく、賛否に揺れる市民までをも無視することにつながる。
 東門市長は昨年12月の会見で「国・県と協力して解決しなければならない課題がある」として、国・県と協議する姿勢も示していた。
 国と県、沖縄市の三者が東門市長の計画見直し要求について市民にも内容が分かる形で、まずは話し合うべきである。


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