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家電リサイクル 循環型社会を実現させねば2008年7月10日 
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 環境省と経済産業省の合同審議会が、家電リサイクル法でメーカーに義務付けている廃家電のリサイクル(再商品化)率の引き上げなどを盛り込んだ報告書をまとめた。
 家電リサイクル法は家庭などから排出される不要になった廃家電を小売店が回収し、それをメーカーが引き取って再商品化することで廃棄物を減らし、資源の有効利用を促す仕組みである。
 制度のスタート以来、見直し作業も適宜行われてきた。消費者が負担するリサイクル料金の引き下げのほか、廃家電の不正処理防止の強化策、リサイクル対象品目の拡大などだ。
 廃家電から回収する鉄や銅、ガラスなど有価物の重量比で示されるリサイクル率の引き上げは初めてだが、メーカー側には既に法定数値を大きく上回る達成実績がある。原材料価格の高騰も追い風に生かせるはずだ。
 リサイクル率の引き上げを契機に再利用技術を一段と高め、並行して家電製品のコスト低下などにも努めてほしい。蓄えた開発技術力などを存分に発揮し、循環型社会の実現に向け、けん引役となることを期待したい。リサイクル率の上げ幅は10―15%。新しいリサイクル率は洗濯機が65%、冷蔵庫が60%、エアコンが70%となる。ブラウン管テレビは55%のまま据え置かれる。
 家電リサイクルへの理解は、徐々に高まりつつあるものの、課題もなお多く抱える。廃家電のうちメーカーがリサイクルするのは約半数にとどまる。
 家電量販店が消費者から料金を受け取って回収しながら、メーカーに引き渡さないケースが後を絶たない。
 リサイクル料逃れの不法投棄の横行も相変わらずだ。年間十数万台に上る。不法投棄対策として家電購入時にリサイクル料を徴収する「前払い方式」に改める必要があるのではないか。
 歯車は要素の一部が欠ければ機能不全に陥る。循環型社会を達成するにはメーカーや小売店、消費者がそれぞれ応分の義務と責任を果たすことが不可欠だ。


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