燃料価格の上昇に比例し、トラック事業者が燃料の高騰分を輸送費に転嫁する燃料サーチャージ制を導入しているのは県内300のトラック法人事業者のうち2割の約60事業者にとどまっていることが県トラック協会(多良間朝時会長)の調べで分かった。全国では3、4割の事業者が導入している。2割にとどまっている理由について協会は、県内では中小零細企業が多数を占め、荷主側に価格引き上げを求めにくい現状を指摘しており、県内トラック業界が原油高騰分を価格転嫁できずに苦しい経営を強いられている現状が浮かんだ。
こうした現状を改善しようと同協会は9日、那覇市港の九州沖縄トラック研修会館で県内の経営者や運行管理者らを集め、燃料サーチャージ制についての説明会を開き、同制度を積極的に導入するよう呼び掛けた。
国土交通省は今年3月、トラック事業者の経営悪化を是正しようと燃料価格が一定額以上上昇した場合に上昇幅に応じて運賃を増額改定できる「トラック運送業における燃料サーチャージ緊急ガイドライン」を作成し、業界に導入を促している。
9日の説明会では沖縄総合事務局陸上交通課の古堅宗安課長補佐と鈴木のり子監理第二係長が制度や燃料価格の設定計算方法などについて説明した。
鈴木係長はトラック事業者が原油高騰分の運賃転嫁が困難な状況に置かれていることや荷主側による「買いたたき」などの不適正取引の実態が全国的に見られることなどを指摘した上で、中小企業の成長力底上げの必要性からも「燃料の上昇分を運賃に反映するべきだ」と指摘した。
琉球通運航空の上原貞男運営管理部長は「同業者がいる中で、自分たちだけ値上げを打ち出すことは難しい」と述べ、業者間競争の激しさで燃料サーチャージを導入できない厳しい実情を説明した。
県内への導入が2割にとどまっている理由について協会の金城弘子専務理事は「沖縄は中小零細企業が多いため、荷主に対して(値上げによる)負担を求めにくい。(対等に)荷主と価格交渉ができる大きな企業がある県外とは状況が違う」と話した。
(大城幸多)
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