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2008年7月16日

 落書(らくしょ)(落書き)は中世から近世において、人物または社会のありさまを風刺、揶揄(やゆ)した文書や図を対象人物の家の門や壁に張ったり、人目に付きやすい場所にわざと落としたものが、その語源だという
▼1月ほど前になるだろうか。奇妙なポスターが沖縄市胡屋十字路近くに数枚張られていた。詳しく言えば、国道330号を南向け、今は取り壊された京都観光ホテル前付近にあった
▼A3判サイズの白い紙の中央部分には燃やされ、ひっくり返された車のモノクロ写真があった。一目で1970年の「コザ騒動」の写真だと分かる。そこには黒く大きな文字で「ワスレルナ」とだけ記されていた
▼ポスターが張られていた場所はコザ騒動の発生現場付近にほぼ限られていた。制作した人物や団体を示す文字はない。単純すぎるゆえ、見た者にさまざま考えや思いを抱かせた
▼単なるいたずらにすぎない、と一笑に付す者もおれば「選挙絡みの政治的メッセージじゃないか」と解釈する者もいた。さらには「沖縄の現状を打破するための民衆蜂起を促すものだ」とする者も
▼意図的に発生現場付近という目に付きやすい場所にポスターを張った作者のメッセージは、それぞれが推測するしかない。だがコザ騒動の背景にあった米兵犯罪多発は、いまも変わらないという沖縄社会の現実、それは忘れるわけにはいかない。


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