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オークス民事再生 県民の不安払拭に全力を2008年7月16日 
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 債権者との協議による私的整理で自主再建を模索してきた県内最大手の信販会社・オークスは14日、「次善の策」として那覇地裁に民事再生法の適用を申請し、受理された。負債総額は486億円で、県内倒産事例では過去最大だ。
 オークスは1972年5月、祖国復帰3日前に沖縄信販として設立。20年後の92年、現在の社名に変更。地元の信販会社として成長した。
 県内のシェアは約33%で、クレジットカード会員数は24万人余、2万4000もの加盟店を擁しカードショッピングは年間約200億円の売り上げで、年約13%の増加を続けていた。
 順調と見えるオークスを直撃したのは、2006年の貸金業法改正といわれる。09年末には出資法の上限金利(年29・2%)と、利息制限法の上限(元本により年15―20%)の間の「グレーゾーン金利」が廃止される。
 この法改正自体は消費者保護に立脚したものである。が、グレーゾーン金利における過払い利息返還請求が激増し、それらに備える引当金を前年より175億円積み増ししたことが債務超過の引き金となった。
 同社のみならず、国内大手の銀行系信販会社も痛手を負った。軟着陸への誘導失敗である。「官製不況」といわれるゆえんだ。
 オークスは国内大手の信販会社を支援先とする再生を目指したが、支援先は貸付上位銀行4社に債権放棄を求めた。
 大手信販会社の指摘で、金融機関の債権放棄額も膨れ上がっていった。債権放棄案の検討時間の短さや、非課税だと思われた債権放棄への課税懸念など二転三転した再生計画案は、金融機関の不信感を招いた。雪だるま式に膨れ上がった相互不信の溝は最後まで埋まることはなかった。経営陣に見通しの甘さがなかったか。
 地元銀行で融資を受けられなかった零細・中小企業はもとより個人の受け皿となったのがオークスだ。また、クレジットカードの提携は中古車販売から百貨店、家電量販店、大型スーパーなど多岐にわたる。
 民事再生法申請後であっても、クレジットカードでの買い物や商品券はこれまで同様に使えるが、キャッシングや新たなローンなどは当面停止される。
 消費者動向に及ぼす影響は小さくない。33年間、県民に親しまれたブランドがこのような事態に立ち至ったのは残念だ。
 オークス経営陣は、背後に数十万の県民がいることを忘れずに実効性ある再建計画を策定し、最悪の事態を回避する努力を求めたい。県民の不安払拭(ふっしょく)に全力を注いでもらいたい。


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