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浜ヌアーマングワァー2008年7月17日 
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 昔、オカヤドカリが天然記念物に指定されていることも知らず、かなりの数を釣り餌として捕獲した。オカヤドカリの習性を紹介することで、保護する一助になればと願う。
 ヤドカリ(宿借り)と言われるように、借りている宿は巻き貝で、海の貝といわず、アフリカマイマイの殻もよく見かける。悲しいかな、プラスチック容器の蓋(ふた)の場合もある。
 こんな生き物でも個性がある。テーブルの上にばらまいた貝を見ていると、数秒も待たずして貝の中から頭を出して動きだすのものと、じっと殻に閉じこもって動こうとしない用心深いものもいる。また、パニックになって殻から抜け出し、裸になって逃げ回るのもいる。共食いがはなはだしいオカヤドカリにとって、
それは死を意味する。どんなに大きい個体でも柔らかい腹をさらけ出すと、すぐ仲間に食らいつかれ、つめだけの無残な姿になる。
 オカヤドカリは浜辺の掃除屋とも言われるほど悪食で、よく魚の死骸(しがい)や何か腐りかけた物に食らいついている。ある時、ウンチに群がっているのを見て、げっそりした。かつて、亡き父に「絶対ヤドカリは食べるな」と、言われたことがある。
火葬施設のない地域や、昔の風葬跡では、遺体が白骨になるまで安置される。その場所が海岸近くの墓やガマなどだ。そこはオカヤドカリのテリトリー。当然掃除屋としての役割を果たしているであろうことは想像できる。
 夏の大潮のある晩(新月か満月いずれか)、たくさんのオカヤドカリが殻から抜け出て一斉に海に入り、戻ってくるところに出くわした。先述したが、丸裸の状態では周りはみな敵。必死の思いで、殻にたどり着くが、ほとんどが元の殻に収まることはない。浜ヌアーマングワァーヤ、チムグリムン…。
(新城静治、沖縄県理科教育協会会長)


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