一体、いつまで小手先の策を見せるのだろう。在沖米海兵隊普天間飛行場を5年ないし7年で返還する、と合意した1996年の日米特別行動委員会(SACO)から、早くも12年近い歳月が流れている。にもかかわらず、作業は遅々として進まない。計画そのものに欠陥があった、と疑問を持つのが普通だ。
しかし、日本政府や米側はそうは考えないらしい。一度決めたら何が何でも実行する。こんな、かたくなな姿勢ばかりが目立つ。
18日の政府と沖縄側が話し合う普天間移設措置協議会(主宰・町村信孝官房長官)で、2つのワーキングチームの設置が決まった。現飛行場の「危険性除去」と、代替施設の「建設計画」を検討する両作業部会だ。仲井真弘多知事が主張する3年をめどとする閉鎖状態の実現と、代替施設の沖合移動を念頭に置いたものだという。
この2つについて、政府はこの間、ほとんどゼロ回答に終始してきた。なぜ、今になって「一歩前進」(仲井真知事)という行動に出たのか。県議会の与野党逆転という現実が背景の一つにあるのは間違いない。もしそうであるならば、民意に配慮する、という政府の思惑があることになる。
民意への配慮ということであれば、さらに踏み込むべきだ。折しもこの日、沖縄県議会は名護市辺野古への新基地建設に反対する意見書・決議を賛成多数で可決している。議会の意思が民意、ということに誰も異論はあるまい。
ここは原点に返る必要がある。なぜ普天間飛行場の返還が取りざたされているのか。言うまでもなくその「危険性」ゆえだろう。住民地域のど真ん中に位置するこの飛行場の危険性については、これまで何度も問題視されてきた。
2003年11月、来県したラムズフェルド米国防長官が普天間飛行場を視察。その危険性を指摘したのは記憶に新しい。それを裏付けるかのように、1年足らずして米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落している。危険性は今でも何も変わらないし否定する人もいない。
ここまで分かっていながら、打開策を見いだせないのは、明らかに政治や行政の怠慢ではないか。
返還問題が、ここまでこじれた原因ははっきりしている。返還の条件が県内移設だからだ。危険性のある施設は、どこに持っていっても危険なのに変わりはない。
問題を解決するには、何度も言うように県外移設しかない。県議会での論議で与党は野党に対し対案を示せと迫った。しかし、それは筋違いの話だ。日米安保は国民の安全を守るためにある。安保のためにある基地が県民を危険に曝(さら)す。その矛盾の解決を県民は求めている。解決の義務は、県民にではなく日米両政府にある。
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