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海の日 サンゴの恵みを学ぶ日に2008年7月21日 
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 太古の昔から人類は海とともに暮らし、進化してきた。周囲を海に囲まれた日本列島、わけても亜熱帯の琉球諸島は世界有数のサンゴ礁海域に形成され、そこからもたらされる種々の恩恵を存分に受けてきた。
 そのサンゴ礁が今、地球温暖化などの影響で死滅の危機にひんしている。再生不能な状態に近いというから、座視できない。
 きょう21日は「海の日」。海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日だ。さらに今年は、各国がサンゴ礁保護などに協力して取り組む「国際サンゴ礁年」でもある。
 いい機会である。一人一人が海に目を向け、あるいは実際に海水に漬かり、耳を澄ましてみよう。救いを求めるサンゴたちの“声”が聞こえてくるに違いない。
 それにしても、政治や行政は取り組みが遅い。日本サンゴ礁学会の山里清琉球大教授らが懸念を訴えたのは何年も前だ。山里氏は、琉球諸島でサンゴ礁をつくるサンゴは66属で、オーストラリアのグレートバリアリーフなどに匹敵する多様性があると紹介。「沖縄のサンゴ礁は白化現象などで息も絶え絶え」と指摘していた。
 日本最大規模のサンゴ礁が広がる石垣島と西表島の間の石西礁湖では、オニヒトデの大発生や、1998年に世界各地で起こった水温上昇による白化現象などで分布面積が大幅に減少している。
 白化現象は深刻だ。これはサンゴと共生する植物プランクトンの褐虫藻が、水温の上昇などでサンゴの体内にいられなくなり、体外に脱出してサンゴが白く変化する現象をいうが、長く続くとサンゴは死滅する。
 北海道洞爺湖サミットで、主要国(G8)は2050年までに温室効果ガスを半減させる長期目標に関し、自らの指導的役割を認識し、野心的な中期の国別総量目標を実施することで合意した。
 福田康夫首相は「成果」としてアピールしたが、悠長に思えてならない。年々、それこそ日々刻々と事態は悪化している。政治任せにせず、市民レベルでも行動を起こさなければ、取り返しのつかないことになりかねない。
 環境省で2月、国際サンゴ礁年にちなんだイベント開催の記者会見を開いたりんけんバンドの照屋林賢さんは「子どものころから、サンゴは海に行けば必ず会える友達だった。守るために微力だが何かしてやりたい」と話した。その思いが大切だろう。
 海洋動物の4分の1はサンゴ礁にすんでいるとの報告もある。サンゴを守るということは、暮らしを守るということである。サンゴ礁がもたらす多くの恵みについて学び、うるま島(サンゴの島)を守る有効な手だてを考えたい。


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