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うちなータイム2008年7月22日 
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 待てど暮らせどお客が来ない。誰も来ない。それはそんなに人気者でもない事は分かっているが。時は70年代、所は沖縄コザ。当時デビューしたばかりの憂歌団と言うバンドのライブでのこと。街に出てみても人の姿は余り見当たらぬ。でも実は訳は分かっているので鷹揚(おうよう)に構えている。そろそろ楽屋のテレビでもつけようかと言う余裕だ。
 今夜は具志堅用高のタイトルマッチがあるのだ。たまたま重なってしまったのだ。内地でも当然具志堅人気は抜群で、私なども「ワンネーヤエヤマンカンムリワシナイン」と言っていた口だ。後年、例のチョッチュネーしか知らない人には考えられない程憧(あこが)れの人なのでありました。ま、その落差も私にはたまらなく良いのだが。
 試合はもちろん我らが具志堅の快勝、機嫌良さげなお客が集まり出した。そうなのだ、慌てる事はないのだ。総じて関西の人はせっかちな人が多いらしいのだが、私には岡山の田舎の血が入っているせいか余程このゆるさが体に合う。
 総社と言う所が母の里なのだが、祖父母が元気だったころは本当にのんびりした田舎で手づかみで鮎(あゆ)を捕るジューちゃんが居たり、まーやんやたーやんがキツネに化かされて野つぼに入って「あぁ、ええ湯じゃあ」と言っていたとか、何とも日本懐かし話の里なのであった。山陽道の春というのも相当なもので、長閑(のどか)と言うしかない。沖縄に住ませてもらって13年、似た感じの日々が多い様に思う。
 島出身のギタリストのお婆ちゃんの話だが、ライブの何時間も前に来てじっと座っている。まだ始まらないからこんな早く来て無駄さ、と言うと、待っているのが良いと言う。沖縄時間とは待つのを楽しむ事でもあるのだそうだ。
(内田勘太郎、ミュージシャン・ギタリスト)


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