県議会代表は、沖縄大使に会えず、一職員が代理でまとめて対応。県議会決議は「聞き置く」が、要望は聞けない。これが外務省の対応である。県民の民意を軽視する行為を許すわけにはいかない。
「現状を自分の目で見て、沖縄の人から直接自分の耳で聞き、沖縄の人の考え方をしっかり東京に伝えて行きたい」。昨年9月28日、大使就任の際、今井正沖縄大使はそう抱負を語っていた。
それが「来客中」を理由に、議会代表の面談を拒む。初心は1年を待たずに霧散したのか。
議会代表が持参したのは、普天間代替施設の名護市辺野古崎への建設に反対する意見書・決議である。決議が政府の方針に背くからと、最初から聞く耳持たないというのであれば、いかがなものか。
相反する国家間の利害調整や友好親善の懸け橋役を担い、職責とするのが外交官ではないのか。
野党の議会代表が大使に持参した決議は、6月議会で賛成多数で可決した県民の民意である。
議会制民主主義を採る日本で議会決議の軽視は、民主主義をないがしろにするような行為である。
そもそも、沖縄大使の役割は「駐留米軍にかかわる事項などについて沖縄県民の意見、要望を聴取し、これを外務省本省に伝え、必要に応じ、米軍などとの連絡調整を行うこと」(外務省)である。
意見や要望を聞き、米軍と連絡調整をすべき沖縄大使だが、米軍ヘリ墜落事故に抗議する県民に「生命の危険も覚悟している軍人に思いを致してほしい」と米軍擁護に立った沼田貞昭大使、「在沖米軍関係者一人当たりの犯罪発生率は沖縄県民よりも低い」と多発する米軍犯罪に抗議する県民を逆批判した橋本宏大使など、県民感情を逆なでした大使も少なくない。
大使の下にいる外務省沖縄事務所の副所長すら、ことし2月、米軍基地の飛行停止を求める県出身国会議員の抗議に「不愉快」と面談途中で退席する非礼な行為で怒りを買った。
米軍基地問題の解決を図り、反米・反軍感情を緩和し、日米安保の円滑な運営を図るために派遣されたはずの沖縄大使である。
それが米軍擁護や県民批判で反米・反軍感情を煽(あお)り、政府の沖縄政策への不信感を強める。それで沖縄大使の職責が果たせるのだろうか。
民意の軽視は、仲井真弘多知事も同じだ。「与党が賛同に入っていない」と24日、野党の議会代表の要請をはねつけている。
民意の軽視が多数与党を少数与党にした。それが「県議選の結果」である。
知事も現実を直視し、県議会が示した民意に、誠実に応えるべきである。
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