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2008年7月27日

 芥川竜之介の遺書の直筆が見つかったと18日付の読売新聞が報じている。子どもたちにあてた遺書で「人生は死に至る戦ひなることを忘るべからず」とある部分は、「死に至る」を後から挿入した跡があったという
▼芥川は「将来に対する漠然とした不安」(「或旧友へ送る手記」)を理由に自殺した。時代は昭和前期。軍国主義へ向かう時代の不安を先取りしたとも評される
▼その芥川は作品中たびたび「ガリバー旅行記」の作家スウィフトに言及している。「河童(かっぱ)」もそれに影響を受けたというのが定説だ。小人国と大人国が登場するので子ども向けと誤解されがちだが、「河童」同様、実は辛辣(しんらつ)な人間風刺を秘めている
▼馬のような姿をしたフウイヌムの国に着いたガリバーが母国のことを説明する場面。「敵が弱すぎるといって戦争を始めることも、強すぎるといって始めることもある。隣国の持つものを欲しがってする場合もある」と話すガリバー
▼だがフウイヌムは信じない。人類と違い、この国にはウソも権力欲も金銭欲も存在しないから想像できないのだ
▼敵が弱いから短期間で片が付くといって戦争を始めたり、逆に大量破壊兵器があるからと言って始めたりする超大国がある。相手の石油が欲しいのかもしれない。そんな世界があると聞いたら、フウイヌムなら卒倒するに違いない。


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