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2008年7月29日

 溶けたチーズのようにぐにゃりとゆがんだ時計。夢や幻覚を思わせる絵画「記憶の固執」は、スペインの芸術家サルバドール・ダリの代表作。現実を超越し、人間の意識下の世界を自由に表現するシュールレアリスムの巨匠だ
▼そのダリが1975年の沖縄国際海洋博覧会に出展した彫像が33年ぶりに公開されている。7月いっぱいは海洋博公園、8月は沖縄こどもの国、9月は浦添市美術館で展示される
▼ダリのパトロンだったスペインのキロス伯爵から3カ月限定で借り受けた企画展だが、里帰りに至る経緯が興味深い。伯爵は香港の財閥にダリ作品20数点を売却するため、目録の整理を命じた。作業を担当したのが現地在住の日本人で「沖縄の海より出ずる太陽の神」と題された彫像を発見。知人の画家に伝えた
▼連絡を受けたのが沖縄に住む溝部達司さん。「作品名に沖縄が入った貴重なもので、沖縄に帰るべき作品」と、2年前に沖縄ダリプロジェクトを発足させた
▼作品を沖縄の地に残すことが目標だが、購入費用は1億6000万円と高額。9月末までに意思表示しなければ、彫像は香港に渡る予定で、関係者は県民の協力を呼び掛ける
▼沖縄戦で亡くなった人々に思いを寄せ、平和の願いを込めた作品は、世界的巨匠と沖縄を結ぶ貴重な接点だ。まずは実物をじっくりと鑑賞することをお勧めしたい。


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