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安心プラン 実効性伴ってこその政策2008年7月29日 
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 政府が社会保障分野で緊急に取り組む「5つの安心プラン」の内容がほぼ固まった。同プランについては福田康夫首相が先に「国民の目線に立って総点検する」と言明した。国民への約束だと受け止めたい。
 福田政権は何を目指しているのか分からない。発言には、そんな批判を意識して独自のカラーを打ち出す狙いが込められているのだろう。その言や良しである。
 政府は既に2009年度予算の大枠を示す概算要求基準(シーリング)についても、重要政策にめりはりを付けて予算配分する「重点枠」を、08年度の500億円から3300億円に拡充する方針を明らかにしている。
 問題は実効性だ。国民に広がっている社会保障の諸課題に対する不安や不信を取り除き、国民の暮らしを担保する政策として練り上げるよう万全を期してほしい。
 5つの安心プランは、後期高齢者医療制度で世論の集中砲火を浴びた高齢者問題対策のほか「医療体制の強化」「子育て支援」「非正規雇用への対策」「厚生労働行政の信頼回復」など5分野にまたがる。
 高齢者政策では、特に一人暮らしの高齢女性らが生活に困らない最低限の金額を確保する基礎年金の「最低保証額」導入のほか、定年後働き続けると年金が減額される在職老齢年金制度の見直しを検討する。医療では医師の養成数を増やし、へき地医療を財政的に支援する仕組みをつくる。このほか保育サービス拡充への交付金、日雇い派遣の原則禁止や正社員化促進などが盛り込まれている。
 いずれも過去に政府の有識者会議などの中間報告としてまとめられた内容が大半で、目新しさはない。総じて総花的であるのも否定できない。
 とはいえ、これらは解決を迫られている待ったなしの課題であることは確かだ。プランの内容をどう煮詰め、来年度予算や税制改正に確実に反映させていくか。そのためには財源の確保が何より重要である。
 政策の実現に向けて首相の指導力が問われる局面だ。


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