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飼育小屋の動物たち2008年7月31日 
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 以前勤めていた田舎の小学校で、ウサギとニワトリを飼っていた。子どもたちと試行錯誤を重ねながらの飼育で、その一端を、まずはウサギから紹介したい。
 朝、飼育委員の子が露天で柵に囲まれた広場へウサギを解放し、夕方、私が小屋へ入れ施錠する。体が小さい割には大食いで、絶えずムシャムシャ何かを食べている。教材園にあるカンダバー(芋のカズラ)だけでは足りない。そこで思いついたのが、給食の残飯に、ニワトリの餌(トウモロコシの粉)を混ぜること。このような餌でもよく食べてくれた。その食べ様で、ケチャップで赤くなった口から、スパゲティを垂らして食べているしぐさには、笑わされた。
 友人の獣医師に残飯の話をすると「ウサギにとって健康的でない」と言われた。そのため、センダングサなどの雑草を刻んで混ぜるようにした。さながら野菜チャンプルーだ。それでも草が不足がちで、退勤時によく草刈りをした。こうして、初め4匹だったウサギが、20数匹まで増えた。
 小学校1年生には、登校時に校門でぐずり親を困らせる子がいた。そんな時、なだめすかして飼育小屋へ連れて行く。ウサギの赤ちゃんを抱かせると、元気になり自分で教室へ行くようになった。飼育委員以外の子で、ひんぱんに飼育小屋へ来る子たちもいる。その中には、学級内で対人関係がうまく作れない子、家庭内が不安定な子などがいた。この子たちの足がいつの間にか遠のいたので、学級担任に聞くと、それぞれの課題が解消されたとのこと。ウサギの飼育が、アニマルセラピーとして効果があった例であろう。
 私や飼育委員の子が小屋にはいると、ウサギたちが取り囲んで、一斉に二本足で立ち上がり餌をおねだりする。こんな光景も、記憶の中にしか残っていない。
(新城静治、沖縄県理科教育協会会長)


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