きょう、63回目の終戦記念日。軍国主義の反省と恒久平和の尊さを実感し、武力と戦争の放棄を掲げる平和憲法の理念を再確認したい。
日本の本当の終戦記念日は1945年「9月2日」との主張が、今なおある。その日は、米英中など連合国と日本政府・軍代表が米戦艦ミズーリ艦上で、降伏文書の調印をした日である。
実際、講和条約発効前の51年ごろまでメディアも9月2日を「降伏の日」「敗戦記念日」と報道してきた。
「ポツダム宣言」受諾の日
では、なぜ8月15日か。この日は、旧日本軍の大元帥である昭和天皇がラジオ放送を通し、肉声で国民に「ポツダム宣言」の受諾を伝えた日。つまり「玉音放送」の日である。
米英中による対日降伏勧告「ポツダム宣言」の受諾をもって終戦とするならば、前日の8月14日がその日である。日本政府は、同宣言受諾と天皇の終戦の詔書を、14日に発布しているからだ。
そのポツダム宣言は、45年7月26日に通告された。しかし、政府はさまざまな事情から、8月14日まで受諾を先送りした。
受諾を拒む日本に米英中の三国は対日攻撃を激化。8月6日に広島、9日には長崎に原爆を投下している。ポツダム宣言は三条で戦争継続なら「軍事力の最高度の使用」で、日本の軍隊と全土を壊滅すると、原爆投下も示唆していた。
降伏をためらう政府の判断ミスが、原爆による多くの国民の犠牲を生んだともいわれるゆえんだ。
だが、いかなる事情があるにせよ、米軍が行った原爆投下による民間人の大量虐殺の罪は、容認されるものではない。
天皇は、玉音放送で「加之敵は新に残虐なる爆弾を使用して頻(しきり)に無辜(むこ)を殺傷し惨害の及ぶ所、真に測るべからざるに至る」と原爆投下の悲劇に触れている。
その上で「而も尚、交戦を継続せむか、終に我が民族の滅亡を招来する」と、戦争継続による民族滅亡の強い危機感を吐露している。
ポツダム宣言は、戦争継続が全国土の「迅速かつ完全な壊滅」を招くとどう喝し、軍国主義勢力の除去、カイロ宣言が求める満州、台湾など第一次大戦以後の占領地の返還、軍隊の完全武装解除、戦争犯罪人の処罰などを求めていた。
同六条は「日本国民をだまし、世界征服をたくらむという過ちを犯した権力者や政治勢力は、永久に除去されなければならない」と、軍国主義勢力の除去を強く求めた。
同七条は日本占領は「日本の戦争遂行能力が破砕されたことが確証されるまで」と明記している。
占領終結は「日本国民が表明した意思に従い、平和的傾向を持つ責任ある政府が樹立した段階」で、「占領軍はただちに日本国より撤収される」と確約している。
国際法上は講和発効日
日本に軍国、帝国主義との決別を求めるポツダム宣言は、現在の自由と民主主義を基本とする国づくりの基本も示していた。
例えば「日本政府は、日本国民の間の民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障害の除去」「言論、宗教、思想の自由。基本的人権の尊重の確立」などだ。
終戦の日を境に、日本は連合軍の占領下に置かれる。占領は1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約発効の日まで続く。
国際法上は、講和条約発効の日が「第二次大戦終結」の日とされる。もう一つの終戦記念日だ。
講和による「終戦」で日本本土は占領を解かれ、主権国家として国際社会に復帰した。
しかし、講和条約の発効の日、沖縄は日本から切り捨てられ、米軍統治下に置かれた。以後本土復帰までの27年間、自治権、基本的人権、財産権も奪われる「屈辱の日」となった。
ポツダム宣言で日本に民主主義を求め、基本的人権の尊重を主張した連合国だが、沖縄では住民自治を否定し、軍事独裁政権下のような占領を自ら行った。
戦後63年。日本はいまポツダム宣言が破壊した「戦争遂行能力」を持つ軍隊を復活させ、有事法制を整え、海外に派兵し、平和憲法の改悪すら射程に入れる。
「本当の終戦記念日はいつか」を問う前に、いま「新たな戦争」を回避し、恒久平和を誓う「国民宣言」が必要な時期を迎えている。
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