「平和を祈る者は針一本をも隠し持ってはならぬ。武器を持っていては平和を祈る資格はない」。長崎市で戦後、被爆者救護に尽力した医学博士永井隆氏の言葉だ。自身も被爆し、苦しみもだえただけに説得力がある。
糸満市摩文仁の平和祈念公園にともる「平和の火」は、その長崎市から届いた「誓いの火」と広島市の「平和の灯」、沖縄戦最初の上陸地・座間味村阿嘉島で採取した火が“合体”したものだ。
不戦の誓いは全国共通だと実感すると同時に、県紙である本紙も県民と共に、さらには県外の人々とも連携してこれを実現していく使命を再認識させられる。
琉球新報は15日、創刊115年を迎えた。明治中期から大正、昭和、平成と続く激動の中で県民の利益、人権を守る報道、主張を刻んできた。明治期は沖縄社会を文明開化に導く原動力となり、戦後の米国統治下では米軍に抗し復帰運動を支えた。施政権を取り戻す一翼を担ったとの自負もある。
社是では「沖縄の政治、経済および文化の発展を促進し、民主社会の建設に努める」とうたっている。県民の声を代弁したからこそ一定の信頼を得たと考えるが、ネット時代を迎え、今後は県外にどう発信するかも問われよう。
批判は謙虚に受け止めたい。戦時の新聞統制下で、多くの新聞は国民を戦争に駆り立てる紙面を作った。ペンが軍部に屈したのは事実で、沖縄の新聞とて免責されまい。その反省から本紙が企画したのが、現在の視点で再構成した「沖縄戦新聞」で、2005年度の新聞協会賞を受賞した。
本紙の前身、うるま新報の社長も務めた瀬長亀次郎氏は復帰前の国会で「沖縄の大地は、再び戦場となることを拒否する」と訴えた。沖縄は今も基地や経済格差などに悩まされるが、本紙は「言論の灯」をともし続け、平和な沖縄を築く決意である。同時に、人々の喜怒哀楽をきめ細かく伝え、より深みのある紙面作りに全力を挙げたい。
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