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米印原子力協力 核不拡散に逆行する愚行2008年9月16日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

 国際ルールを骨抜きにする「二重基準」を認めたに等しい。原則が消し飛んでしまう。国際社会の努力で積み上げてきた核の不拡散・核軍縮体制を危うくする愚かな決定と言わざるを得ない。
 日本や米欧など45カ国でつくる原子力供給国グループ(NSG)が、インドへの民生用核関連技術・資機材の移転を認めたことだ。
 インドは核兵器保有国だ。にもかかわらず核拡散防止条約(NPT)に加盟していない。それだけではない。NSG指針である国際原子力機関(IAEA)の包括的保障措置(査察)協定も拒み続けている。
 NSGの原則では、NPTへの未加盟国やIAEAの核査察を受け入れていない国に対しては、核燃料の輸出や核関連の技術移転などを厳しく規制している。たとえ原発など平和利用目的であってもである。
 NSGの今回の決定は、参加国が共有してきたこのような厳格なルールを踏み外すことになるばかりでなく、核開発計画を進める北朝鮮、イランに誤ったメッセージを送りかねない。
 既に核兵器を手にしているインドの隣国・パキスタンに対しても、核不拡散を訴えるカードの有効性を自ら薄めるものだ。
 そもそもNSGが設立されたのも1974年のインドの核実験がきっかけだったはずだ。インドが特別扱いされるのは、どう考えても不合理である。
 承認された背景には、米国からインドへの原発技術やウラン輸出などを可能にする米印原子力協定に両国が合意している事情が働いている。インドを取り込むことが核流出防止に役立つと判断した米国の論理にNSGが押し切られた側面もある。
 だがインドにNPTへの加盟などを求めるのが、本来は筋だったのではないか。その点で明確に反対せず結論を容認した日本政府の対応は疑問だ。核廃絶を主張し続けてきた被爆国の大義が揺らぎかねない。


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