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増える原潜寄港 「死の海」と化す前に 2008年9月22日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

 沖縄の言葉「うるま」には、サンゴの島という意味がある。景観豊かな沖縄の島々を指す言葉としても知られるが、幸多い海に面した4市町が合併して誕生したのが沖縄本島中部のうるま市だ。
 そのうるま市が、放射能漏れで「死の海」と化すかもしれないという不安に包まれている。住民が恐れる“正体”は、同市の米海軍ホワイトビーチに繰り返し姿を見せる原子力潜水艦だ。
 県議会は17日、この間の原子炉冷却水漏れ事故に抗議し、安全が確認されない限り本県に寄港させないことを求める意見書を全会一致で可決した。しかし、不安がる県民をあざ笑うかのように20日、問題のロサンゼルス級原潜がまた、同ビーチに寄港した。
 米原潜の沖縄寄港はことし29回目で、最多記録を更新中である。放射能漏れが判明した8月以降に限っても、3度目の停泊だ。米大使館は「(この間)漏出した放射能は微量で、人体や環境に影響はない」と説明するが、額面通り受け取るわけにはいかない。
 微量というのは米側の言い分であって、日本政府にこれを検証する手だてがない。仮に、放射能を含む原子炉冷却水が「垂れ流し」だったとしても、米側が「水の染みだし程度」と言えば、外交的には後者に落ち着く。残念だが、それが日米同盟の現状だ。
 しかし、現状の“うのみ外交”はおかしい。国防的にも問題だろう。人命にかかわる事案だけに、一方的に「米側を信用しろ」と言われても住民としては困る。
 日本への米原潜の寄港をめぐっては1960年代から、放射能漏れの危険性が指摘されてきた。実態を解明することなく、密約文書などで事実上放置してきたことが「すべては霧の中」という事態を招いたともいえよう。
 「死の海」に変わってからでは遅い。政府は米原潜の安全神話が崩れていることを踏まえ、より主体的に実態の解明と危険性除去に取り組むべきだ。


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