米太平洋海兵軍は、在日米軍再編に伴う在沖海兵隊のグアム移転経費が、日米で合意した金額より47億ドル増えるとの見積もりを示した。
移動用の高速艇購入、北マリアナ諸島の訓練関連経費、グアムへの人員・物資輸送費、移転先施設の家具や事務用品購入費などを新たに盛り込んだためだ。
今後、米連邦議会が増額に難色を示し、米国が日本に負担増を促す可能性もあるようだが、そんな身勝手な要求を認めてはならない。
日米両政府が2006年の在日米軍再編協議で合意したのは、グアムへの移転経費102億7000万ドルのうち日本が60億9000万ドル(2008米会計年度の価格)、米国が41億8000万ドル(同)を提供することだ。
高速艇などを購入するのは米国側の一方的な事情にすぎない。そのために日本に新たな負担を押し付けるのは筋違いも甚だしい。
経費の増額は、米政府監査院(GAO)の報告書に、米太平洋海兵軍幹部の試算として盛り込まれた。移転経費は当初算定額を大幅に上回り、150億ドル以上に達する。報告書は増額分の負担内訳には触れていない。
新たな負担の要求に日本が応じれば、米国は次々と必要経費を持ち出してきて追加支出を求めてくるだろう。日米合意の枠外なのだから、増加分は当然、米国が負担すべきである。
そもそも、米軍再編最終報告は県民の頭越しに決定された。牧港補給地区、那覇軍港など嘉手納飛行場より南にある施設の全面返還は海兵隊のグアム移転が前提であり、グアム移転は普天間飛行場の名護市への移設が前提になっている。
日米合意から2年以上経過したが、米陸軍パトリオット・ミサイルの配備など、基地機能強化だけが先行し、「負担軽減」は脇に追いやられた感がある。
日本政府は、沖縄県民の声に十分に耳を傾け、基地負担の軽減に全力で取り組むべきだ。
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