米政府が「医療任務」を名目に、アフガニスタンへの新たな陸上自衛隊派兵を日本側に求めている。
「テロとの戦い」への貢献策としての要請というが、平和憲法を盾に拒む日本への形を変えた新たな「派兵圧力」だ。とても応じられる話ではない。
米側が求めているのは、陸自医官らを中心とする医療部隊編成だ。「空飛ぶ救急車」とも呼ばれる構想で、陸自の大型ヘリコプターや空自のC130輸送機で医療部隊を運び、米軍や国際治安支援部隊兵士らの治療に当たる任務が想定されている。
「医療任務」ならと安易に考えがちだが、実態は戦闘で負傷した兵士の治療で、治療後に兵士が戦闘に戻れば「集団的自衛権の行使」ともなりかねない。憲法が禁じる「他国の武力行使との一体化」に抵触するとの指摘もある。
現段階では政府も「憲法上の制約」などから米要請には慎重な姿勢で、議論を事実上棚上げにしているが油断は禁物だ。治安悪化が続くアフガンである。情勢次第では米側が再考を求め派兵圧力を高めてくる可能性もある。
医療任務の支援派遣にも新たな法整備が必要だ。今後、同問題が国会論議に付されるとしたら政府が米国の圧力に屈した証左となる。
米政府はこれまでにも日本に兵士や物資の輸送任務を求めてきた。
今国会でも海自によるインド洋での給油支援活動の延長をめぐる「新テロ対策特別措置法改正案」の論議が続いている。
米国は9・11米中枢同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディンをかくまったとして、アフガンのタリバン政権を攻撃した。戦闘の犠牲者は1万人を超えたが、ビンラディンらは発見されていない。
米国はその後も「大量破壊兵器の保有」を大義名分にイラクに侵攻したが、保有は今も未確認。「大義なき戦争」の片棒を担いだ日本は対米追従外交の限界を露呈した。今度こそ日本は、米国の「戦争の大義」に踊らされることなく慎重に対応するべきであろう。
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