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2008年11月14日

 沖縄返還密約訴訟で最高裁が上告を棄却し敗訴が確定した西山太吉さんは「行政と司法は完全に一体化している」と批判した。裁判中に日米交渉の張本人である元外務省幹部が密約を認め、それを裏付ける文書も米公文書館から発見された
▼それにもかかわらず、司法は本質である密約の存在を判断せずに「除斥(時効)期間の経過によって請求権が消滅した」とする東京地裁の判決を踏襲した。肩透かしを食った西山さんの無念さは当然だろう
▼裁判員制度の導入を来年5月に控え、10日からテレビCMが始まった。裁判員候補者への通知もスタートする。那覇地裁の候補者は2000人で、候補者になる確率は529人に1人。裁判員が扱う事件は、殺人や強盗致傷、放火、傷害致死など重大な刑事事件に限られている
▼全国52弁護士会の会長に実施したアンケートでは、厳罰化の恐れや裁判員の大きい負担、取り調べ全課程の録音・録画が実現していないなど18人が問題点や課題を指摘した
▼裁判員制度を導入するのは、市民が参加することで、分かりやすい裁判が実現され、裁判への理解が高まることを期待してのことだ
▼沖縄返還密約訴訟をみると、政府が情報を開示していないことはほかにもあるのでは、と疑いたくなる。ならば国を訴える国家賠償訴訟にも市民感覚を導入したらどうか。


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