トークセッションする大西暢夫監督(中央)と伊波義安代表(左)ら=11日、那覇市ぶんかテンブス館4階ホール
ドキュメンタリー映画を題材に、観客と関係者らが社会問題を考え、発信する活動が始まっている。那覇市の桜坂劇場とぶんかテンブス館は「アーニー・パイル国際劇場映画井戸端会議」を同館で8月末から開催。関係者を交えたトーク、民間非営利団体(NPO)の出展で理解を深めている。
11、12日はダム建設で廃村になった岐阜県徳山村のお年寄りの暮らしを15年間にわたり記録した「水になった村」(大西暢夫監督)を上映。大西監督とやんばるの自然保護活動に取り組むNPO「奥間川流域保護基金」の伊波義安代表も加わり、県内外のダム建設と環境保全、生活の変化などを話し合った。
11日のトークセッションで大西監督は自然の恵みを生かしたお年寄りの食生活と、補償金を得て町へ移転した後の変化を説明。「集団移転しても村は再生しない。人間関係もなくなり、補償金で本当に豊かになるかといわれると微妙だ」と問題提起。伊波代表は「小さな沖縄に観光客を1千万人集めるために水が必要といわれるが、これ以上ダムを造る必要があるのか。徳山ダムのように沈んでしまうと、元には戻せない」と訴えた。
観客の上江洲和子さん(64)=那覇市=は「森林伐採で自然がなくなっていいのか、沖縄の現状を考えさせられ、とてもよい経験になった」と感想を語り、又吉嘉政さん(61)=同=は「ダム建設で『一代で財産を食いつぶす』という徳山村のお年寄りの言葉が印象的。自然豊かな生活の知恵は消費社会が変わるきっかけになるのでは」と話した。
桜坂劇場の真喜屋力プログラムディレクターは「映画には何かが変わり、世の中がよくなっていければという『知る楽しみ』がある。劇場は出会いの場。足を運ぶ楽しさを知ってほしい」と開催の意義を説明する。
井戸端会議の開催は2回目。今後毎月1回の開催を予定し、パレスチナ問題や子どもたちのドキュメンタリー映画の上映を検討している。(座波幸代)
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