「これ以上爆撃が続いたら、島自体が沈んで消失しかねない」。そんな危機感が地元・久米島では年々高まっている。
おまけに訓練水域や空域を越える誤爆や事故が後を絶たない。「漁船の安全操業が脅かされる事態が相次いでいる」。そんな、地元や漁協からの訴えに県議会がやっと動いた。
25日に開かれた県議会経済労働委員会で、米軍訓練空域と水域の一部解除と返還を日米両政府に求める意見書と決議が全会一致で可決された。28日の本会議でも可決される見通しだ。
意見書と決議は、沖縄本島東側海域にある米軍訓練空域「ホテル・ホテル区域」の一部指定解除と、鳥島、久米島の両射爆撃場の返還を求めている。
沖縄本島周辺には、県土面積(約2275平方キロメートル)の42倍もある訓練空域と呼ばれる「空の米軍基地」が20カ所も広がっている。
広いはずの沖縄の空が「ビルの谷間の細道をくぐるような感覚」とパイロットたちが表現するほど狭いのは、その制限空域のためだ。
訓練水域と呼ばれる「海の米軍基地」も29カ所ある。総面積は県土の24倍に上る。
広大な訓練水域は、沖縄の漁師たちから漁場を奪い、漁場間の移動にも遠回りを強いている。
原油価格の高騰で操業経費も高騰し、漁師らの生活は圧迫されている。県土の1割を占める陸上の「見える基地」に加え、海、空の「見えない基地」の重圧がある。
返還要求が出た鳥島射爆撃場は、かつて使用禁止の劣化ウラン弾が訓練で使用されたこともある。
沖縄周辺海域はカツオやマグロ、ソデイカなどの好漁場だが漁獲高は減少の一途だ。その上、米軍関係の漁業補償費も1998年度(14億3000万円)をピークに2006年度は7億5000万円まで半減している。
減る補償、増える危険、遠のく漁場。漁師らの三重苦解消も視野に日米両政府は見えない基地の整理・撤去に真剣に取り組むべきだ。
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