イスラエル軍がパレスチナ自治区のガザ地区で大規模な空爆を行い、280人超の死者を出す最悪の事態となっている。これに対し、同地区を支配する強硬派ハマスは報復を呼び掛け、報復合戦がエスカレートする様相だ。
死傷者には女性や子供も多数含まれており、一般住民を巻き込むイスラエルの軍事行動は国際社会から非難されて当然の蛮行だ。空爆続行は許されないし、これ以上犠牲者を出してはならない。
一方、ハマス側にも自制が求められる。空爆を受け徹底抗戦の構えだが、報復は住民をさらに巻き込み、悲劇を拡大するだけだ。イスラエルも、ハマスも国連の即時停戦要請を受け入れるしかない。国際社会は負傷者の手当てなど人道支援を急ぐ必要がある。
それにしても、報復の連鎖を断ち切れないパレスチナ問題はいかんともし難い。「和平」の二文字が芽生えては消える繰り返しで、無力感さえ漂う。
今回、イスラエルが大規模空爆に踏み切った背景には、来年2月に控えた総選挙がある。ガザからの連日のロケット弾攻撃でイスラエル住民の恐怖心は募っており、圧倒的な軍事的優位を見せつけることでハマスとの再度の停戦に持ち込む計算だったとされる。
だが、連日の空爆でパレスチナ側におびただしい死傷者が出た。イスラエルの攻撃による1日のパレスチナ人死者数としては1980年代後半の第1次インティファーダ(反イスラエル闘争)以降、最悪の規模だという。
ハマスは報復として、イスラエル領にロケット弾など約30発を撃ち込み、イスラエル人にも死傷者が出た。まさに報復の連鎖であり、悲劇の繰り返しである。
日本を含めた国際社会の役割は大きい。戦闘が長期化すれば、和平への道は遠のく。停戦合意のテーブルを結束してつくり、粘り強く説くほかない。その努力を惜しむことなく、報復の連鎖を断ち切ってもらいたい。
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