すべての国民に、正義とチャンスが与えられる国造りを誓い、2001年に就任したブッシュ米大統領は、2期8年の任期を締めくくる演説でイラクへの軍事侵攻を「失敗も経験した」と認めた。「皆さんはわたしの決定の一部に同意しないかもしれない」と弱気な面も見せ、戦争に引きずられた8年を印象付けた。
民主党のアル・ゴア氏と史上例のない大接戦となり、小差のため投開票から5週間も次期大統領が決まらないという前代未聞の中、ようやく第43代大統領に就任したブッシュ氏だった。
21世紀初の米大統領となったものの、長期混迷の大統領選で国民の信託を十分得ることができなかったことは、その後の米中枢同時テロや経済津波の衝撃、温暖化など地球規模で襲う種々の問題の予兆だったのかもしれない。
戦後の歴代大統領は、長期的な繁栄や冷戦終結、紛争解決、グローバル経済確立といった米国の指導力を誇示する政策に取り組んだ。
一方、ブッシュ政権は、大型テロの再発防止などの功績はあったものの、大量破壊兵器の開発を理由に先制攻撃をしたイラクで、指摘した兵器が見つからず「不必要な戦争」とも言われるなど政策の多くに疑問符が付いた。
2期目は世界平和に向け「自由の拡大」を宣言した。敵と味方を分けるための「テロ支援」と「大量破壊兵器開発」に「自由」を加え、「悪の枢軸」に代わり「圧政国家」を打ち出した。が、混迷政権は1期目を省みることなく、その結果、世界は多極化、無極化へと突き進んだ。
歴史家の評価でも9割超が「失敗した大統領」に分類し、6割が「史上最悪の大統領の一人」としている。幅広い分野の政策につまづいた大統領との印象が強い。
「教育と強い軍」を重視したブッシュ政権の8年は、過重な基地負担に悩み、その解消を求め続ける沖縄県民にとって、願った変化は感じられない歳月だった。
逆に、より緊密な日米同盟で沖縄での米軍の足跡は減るどころか、より深く刻まれてしまった。
真の正義を貫き、貧困や低所得層が固定化しないため、チャンスを夢見る社会をどう築くか。超大国・米国の指導力不在で世界が混迷を続ける。米政権の立て直しが世界の安定にもつながる。
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