喜びいっぱいにゴールする斉藤玉貴さん(中)と伴走者の大見謝辰男さん(右)、増川育代さん
【石垣】第7回石垣島マラソン大会(石垣市、石垣市教育委員会、石垣市体育協会主催、琉球新報社共催)が25日、市中央運動公園陸上競技場を発着点に行われ、フルマラソン、ハーフ、10キロの3部門で1981人が完走した。初参加した盲ろう者の力強い走りや、孫ほど年の離れたロープランナーコンビのフルマラソン初挑戦、2年越しに完走を果たした義足のランナーに、沿道や競技場からは感動の拍手が巻き起こった。
視覚と聴覚、2つの障害のある斉藤玉貴さん(41)=山形県=は伴走の大見謝辰男さん(56)=石垣市、増川育代さん(42)=同=とフルマラソンを4時間57分3秒で完走し、両手を上げて喜びいっぱいにゴールした。
事前に、大見謝さんが1キロごとの目印になる建物などを書き込んだA4用紙2枚のリポートをファクスで送り、斉藤さんはわずかに残る視力で虫めがねを使って、コースを頭にたたき込んだ。
「今回は楽しみながら走ろう」と思った斉藤さん。カメラを手に沿道の景色を写真に収めた。
斉藤さんが走り始めたのは10年前の全国障害者スポーツ大会出場がきっかけだった。「気持ちよく走れた」と走る楽しさを感じていたとき、2000年のシドニー五輪で高橋尚子選手が金メダルを取ったことに「すごい。私も頑張ろうと思った」とフルマラソンに挑戦。これまで全国各地で10回以上フルマラソンを完走し、自己ベストは3時間58分の実力者だ。NAHAマラソンで伴走を務めた大見謝さんが石垣島に転勤したことから、「石垣島を走りたい」と初挑戦した。
申し込み時点で整っていなかった盲ろう者の受け入れ態勢だが、初の触手話通訳を用意するなど、斉藤さんの挑戦が切り開いた。大見謝さんは「みんなの頑張りが、家に閉じこもっている障害者たちが外に出て一緒にスポーツを楽しめるきっかけになる」と強調した。
(深沢友紀)
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