いよいよ、国民に信を問う環境は整った。有権者の支持を失った政権が、いたずらに延命を図るのは見苦しい。2009年度予算案が衆院を通過し年度内の成立が確定した。もはや先送りは許されない。麻生太郎首相は速やかに衆院を解散し、閉塞(へいそく)感の漂う政治状況を一刻も早く打開すべきだ。
09年度予算案は総額88兆5480億円で、当初予算ベースで過去最大規模だ。11年度にも消費税率を引き上げる付則を明記した税制改正法案など、関連4法案とともに27日の衆院本会議で、与党などの賛成多数で可決された。予算案は憲法の衆院優越の規定により、野党が抵抗しても、参院送付後30日で自然成立する。定額給付金などの財源を確保する08年度第2次補正予算関連法案も、3月4日には成立の見通しだ。
これだけで戦後最悪の不況が好転する保証は、恐らくない。新たな経済対策あるいは09年度の補正予算が政府・与党内で検討されているゆえんだ。ただ、これまで「政局より政策」と公言してきた首相にとって、一つの区切りはつけたことになろう。このまま政権を維持する大義名分はない。
内閣の支持率も1割台に落ち込み、麻生首相の退陣を望む世論も7割台に達している。いわばレームダック(死に体)の状態では、いかなる政策を実行しようにも、国民の支持は得られない。
オバマ米大統領は初の外国首脳との会見に麻生首相を選んだ。また、首相はロシアのメドベージェフ大統領とも会談したが、「(北方領土問題で)ロシアへの大幅な譲歩を考えているのでは」との憶測も流れた。仮に、政権浮揚を狙ってのことなら、とんでもない話だ。外交を政局のために利用するのは、あってはならないことだ。
予算のめどがついたことで、自民党内でも首相の退陣を求める声が強まってきた。武部勤、中川秀直元自民党幹事長まで、麻生首相の下では総選挙は戦えないと言い出した。とは言え、選挙の洗礼を受けない首相が4人も続くのは、異常と言うしかない。やはり、麻生首相の手で解散に打って出るべきだろう。
何より、この経済危機をどう抜け出すか。それ以外にも国政の課題は山積している。与野党が有効な政策を国民に提示し国民の審判を受ける。残された選択肢はこれしかない。首相が決断する時だ。
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