米軍普天間飛行場の全面返還について、当時の橋本龍太郎首相とモンデール駐日米大使が1996年に合意してから、やがて13年を迎える。いわば、一昔もたったことになる。しかし、現状はどうだろうか。いまだに日米両政府と沖縄の間には、名護市辺野古への建設場所をめぐって対立が続く。
防衛省が4月初めにも県に提出する環境影響評価(アセスメント)準備書で、仲井真弘多知事や名護市が求める移設案の沖合修正は「合理的理由がない」と退けられることが分かった。その上で、辺野古沿岸部移設を推進する政府原案を堅持するという。これに対し、仲井真知事は「沖合修正をせず政府原案通りであっても、まだ意見を言う機会はある。その機会に県の主張を言っていきたい」と話す。
この間、いくつかの世論調査でも、普天間移設については県外・国外を求める声が多いのは事実である。県内移設反対を訴えた県議会野党が、過半数を占めたことでも、県民の意思は明らかだろう。
知事はこの事実を直視してほしい。返還合意から13年もたつのに、建設場所さえ定まらないということは、この計画には初めから無理があったと言わざるを得ない。いや、県民の意思を無視した不合理なものだった、と言っていい。
普天間返還の原点を、あらためて思い起こしてみたい。危険性の除去が目的であったはずだ。それがどうだろう。2004年には沖国大にヘリが墜落。政府の無策ぶりをあざ笑うかのように、その危険性をまざまざと見せつけた。日米両政府間で飛行経路の見直しも協議されたが米軍はお構いなしだ。今なお民間地上空を飛び交っている。
さらに、普天間代替施設には「欠陥機」と指摘される海兵隊次期主力機の垂直離着陸機MV22オスプレイの配備も確実視されている。危険性除去や県民の負担軽減どころか、狭い県内により危険な基地が建設されようとしている。
日米両政府は普天間移設、海兵隊のグアム移転、嘉手納基地より南の米軍基地返還の三つを「パッケージ(一括実施)」という形で県民に押し付けている。まるで、問答無用だ。
政府のこのような姿勢は、しゃにむに推し進める「在沖米海兵隊のグアム移転に係る協定」を見ても明らかだ。日米両政府はもちろん、県も危険除去の原点に立ち戻り、早期撤去策を再論議すべきだ。
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