仲井真弘多知事が将来的な米軍基地の位置付けについて、全面撤去は必要ないとの考え方を示した。
知事が若手有識者から県の将来像を聞く「沖縄21世紀ビジョン懇話会」で、知事は「許容できるものは許容すべきだと考えている」と米軍基地の将来について共存の姿勢を示した。
県は、振興審議会総合部会で2030年の沖縄の目指す姿を描く「沖縄21世紀ビジョン」(仮称)の素案策定を進めている。
同ビジョンでは、「歴史・伝統・文化を尊重する安全・安心な島」「世界に開かれた交流と共生の島」など5項目をまとめている。
30年の在沖米軍基地については、日米合意された嘉手納より南の基地などが返還されていると想定する。その上で、跡地利用として、総合交通体系や情報通信体系の基盤整備を進めることを盛り込んでいる。
大田県政時代にまとめた沖縄県のグランドデザインとなる国際都市形成構想では、15年までに基地の全廃を打ち出し、そのための基地返還アクションプログラム(行動計画)を策定した。基地返還後の産業政策となる産業創造アクションプログラムもまとめた。
結果として、基地返還行動計画がSACO(日米特別行動委員会)合意を生み、普天間返還に道筋を付けたともいわれる。
ビジョン懇話会での意見は、振興審議会総合部会が進める素案策定とは直接関係はなく、県の方針を示すものではないが、知事の「基地許容発言」は、不用意だと言わざるを得ない。
懇話会で知事は「(米軍基地が)許容できる範囲をはるかに超えているから整理縮小と言っている」と米軍基地を一定程度受け入れる意向を明らかにした。将来ビジョンに米軍基地を残す理由は何か。冷戦時代が過ぎた今、巨大な軍事基地が沖縄に必要だろうか。
最新鋭F22戦闘機の一時移駐による騒音激化や軍事訓練による日常的な基地被害は、何も改善されず、県民に負担を強いるばかりだ。
ビジョンは「安心・安全な島」を掲げるが、基地の存在が安心、安全な島につながらないことを県民は身をもって知っている。20年後の将来を描くビジョンだ。せめて基地のない沖縄を描いてみせる。それが県政を担うトップの役目ではないか。
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