南洋群島帰還者会(宜野座朝憲会長)はサイパン、テニアンなど南洋群島と呼ばれた島々で、太平洋戦争中、日米の地上戦の犠牲になった県出身者の慰霊を目的に現地を訪ねる南洋群島慰霊墓参団を、40回目のことしで終えることを決めた。南洋帰りの帰還者会員らの高齢化で運営が難しくなったことや、参加者が年々減少したことが理由。墓参団として慰霊を主目的に、チャーター便を確保して団体で現地へ赴く旅は今回が最後となる。
この方針は、3月21日、宜野湾市で開かれた同会の例会で承認された。来年以降は親善交流や観光などを盛り込み、希望者が慰霊祭を開く。宜野座会長(79)は「参加者が年々少なくなり飛行機のチャーターができなくなってきた。会員も高齢になり、車いすや寝たきりになっている」と、無念な面持ちで語った。
墓参団は1968年5月、南洋からの帰還者や犠牲者の肉親ら約55人が初めて現地を訪問し、サイパン島北部に慰霊碑「おきなわの塔」を建立した。当時親交のあった現地の人々を慰霊祭に招いて以来、現地の人々も毎年慰霊祭に参列。サイパンとテニアンにある沖縄出身者の慰霊碑は、北マリアナ政府観光局などが清掃・管理し守っている。
墓参団には33回忌の76年、約1100人が参加したが、この2、3年で参加者が減少し、昨年は90人だったため、チャーター便をキャンセルし、名古屋経由で渡った。帰還者会の構成団体の一つサイパン会の平良善一会長(79)は「南洋帰りの孫ら若い世代に会をつなげる方法を何とか考えたい」と話している。
ことしは5月26日から29日まで、約150人乗りのチャーター機を確保し、サイパン、テニアン、ロタ島を訪ねる。帰還者会は参加者を募集している。問い合わせは国際旅行社(電話)098(867)2121。
<用語>旧南洋群島
1914年に第1次世界大戦が始まって間もなく日本海軍に占領され、太平洋戦争中の44年に米軍が占領するまで、約30年間日本が統治していた。日本の南進の拠点となっていた「南洋興発」による製糖業を中心に、多くの沖縄県出身者が渡航し、40年には約5万人の県出身者がサイパン、パラオ、テニアンなどに居住。44年6月から8月にかけて日米の戦闘があり、旧厚生省によると12島で、1万2826人の県出身者が犠牲になった。
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