【東京】在沖米海兵隊のグアム移転協定締結の承認案件が14日、衆院本会議で自民、公明の与党側の賛成多数で可決し、同日参院に送付された。民主、共産、社民、国民新党は「日本側負担経費の積算根拠が明らかでない」「普天間基地代替施設の建設につながる本協定は沖縄の負担軽減につながらない」などとして反対した。採決に先立つ賛成・反対討論は行われなかった。15日から参院での審議が始まるが、同協定は条約と同様の位置付けで、参院で否決されたり、30日以内に議決されなかったりした場合には衆院の議決が優先するため、5月中旬までには成立する運びだ。
グアム移転協定は、在沖米海兵隊のグアム移転にかかる費用を日本側が28億ドルを上限に拠出することを明記しているほか、グアムへの海兵隊移転と普天間飛行場の代替施設建設、嘉手納より南の基地返還を「パッケージ(一括実施)」で盛り込んだ在日米軍再編のロードマップ(行程表)の順守を前文で明記している。
衆院外務委員会での審議を通し、グアムへ移転する海兵隊員の人数が実際には8千人を下回る可能性もあることや、グアム移転の条件となっている辺野古沖への普天間飛行場代替施設にオスプレイが配備される可能性があること、日本側の経費負担額28億ドルの算出根拠が不明確なことなどの問題点が明らかになった。野党側から審議継続を求める声もあったが、計19時間の審議で終了した。
麻生太郎首相は10日の衆院外務委員会で、同協定で明記された在沖海兵隊員8千人の削減数は定数だとした上で、実際の削減数は「分かるはずがない」と答え、沖縄からグアムに実際に移転する数が8千人になるとは限らないことを認めた。
協定は2月17日、中曽根弘文外相と、来日したクリントン米国務長官が署名。政府、与党は日米同盟強化の観点もあり、重要法案として成立を急いでいる。
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