県は、米軍普天間飛行場代替施設建設に伴う環境影響評価(アセスメント)で移設案の沖合移動について、評価書とその後の補正など2段階の修正により、110メートル以内の移動で政府と折り合いをつける意向であることが、複数の幹部の話で分かった。ただ、評価書など残るアセス手続きの中で100メートル程度の移動が実現しても、騒音など住民生活への影響がどれだけ軽減されるかは不透明だ。
アセス条例の規則では、アセスをやり直さずに可能な飛行場部分の軽微な修正範囲は10ヘクタール以内。1800メートルの滑走路幅では移動幅は約55メートルとなる。県側は、アセス条例の規則を根拠に(1)事業主による自主的移動(2)知事意見への対応措置としての軽微な修正(3)環境への負荷の低減を目的とする修正−で沖合移動が可能だとの見解だ。
県首脳によると、昨年の町村信孝官房長官(当時)との水面下交渉でも、1回きり約55メートルの修正で決着を図ろうとする町村氏に県は、2段階修正を求めて折り合いがつかなかった。
県側の判断には、政治的な決着では、アセス軽視の批判が出ることへの懸念があった。
県側は、町村氏や二橋正弘官房副長官(当時)との交渉で2段階の修正を要求。だが町村氏は、米側に2回の修正は要求できないと県の主張に難色を示した。これに対し県首脳は、町村氏に「米側には1回の説明で100メートルほどずらすと説明し、その上でアセスの手続きで2回に分けてずらせばいい。米側に2回も理解を求める必要はない」と切り返したが合意できなかった。
一方、政府合意のタイミングとしてアセス調査が継続している段階で政府側と決着した場合、県環境影響評価審査会の審議を軽んじているとの批判が出るのではとの県側判断も働いた。
県首脳は「アセスが始まる前ならよかったが、アセスが進んでいる中では、審査会や住民意見を軽視しているとマスコミから批判される」と早期決着に慎重になった背景を説明した。(滝本匠)
■「私の求めに近づく」仲井真知事が会見
仲井真弘多知事は17日の定例記者会見で、町村信孝前官房長官が米軍普天間飛行場移設問題に関連し、環境影響評価(アセスメント)の範囲内で修正できる55メートル以内で沖合移動を容認する考えを示したことについて「『一ミリも動かさない』という時期に比べると、私が求めていることにだいぶ近づいてきた」との認識を示した。
ただ、アセス範囲内の“微修正”が、知事が沖合移動要求の理由に掲げる住民生活への影響の軽減につながるかについては「技術的にどういう効果があるかはよく分からない」と述べ、環境アセスの内容や専門家意見などを踏まえて判断したいとの考えを示すにとどめた。
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