これまで何度繰り返してきたことだろう。政府の説明の虚偽、ごまかしがまた一つ明らかになった。
米軍普天間飛行場の移設をめぐり、防衛庁(当時)が1996年時点で垂直離着陸機MV22オスプレイの配備を前提に米側と協議していた件だ。
政府が伏せ続けてきた事実が米側の公文書で裏付けられた点も、沖縄返還の密約などと同様の構図である。これでは隠ぺい体質と批判されても言い訳できまい。
オスプレイは91年に試作機が墜落、92年にも事故があって乗員7人が死亡した。2000年には2回の事故で23人が死亡している。「欠陥機」の指摘がやまない機種だ。
こうした墜落や騒音への不安から移設反対の機運が高まることを懸念したのかもしれない。政府はこれまで「米側に照会したが、沖縄配備について何ら具体的な予定は決まっていない」との趣旨の答弁を繰り返してきた。
だが今回の文書は答弁と正反対の事実を証明した。「ヘリコプターの一部は2003年ごろにMV22オスプレイ機に交代する予定だ」と明記しているからだ。高見沢将林防衛政策局長(当時運用課長)が米側に提出していた文書にそう書いてあるのだから、「承知していない」では通らない。
しかも「海上施設は現在普天間飛行場に配備されているヘリの移転先として考えられたもの」と答弁するよう米側に注文を付けているのだから、オスプレイ隠しと言われても仕方がない。
オスプレイについては、96年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告の草案に配備を明記していたのに、成案では削除されたことが既に分かっている。
その点からしても「何ら具体的予定はない」という答弁の虚偽は明らかであろう。隠して一体何の得があるのか。政府はこれまでの不誠実を率直にわびるべきだ。
憲法は国民主権を規定するが、国民が主権を行使し、政策を選択するためには、何よりも情報が大切だ。その情報を国民から遠ざけては正しい選択ができない。情報隠しはいわば、国民を主権者の座から遠ざける、民主主義の基礎を壊す行為だ。
現代は「由(よ)らしむべし、知らしむべからず」を旨とした封建時代ではない。民主主義の国としての、この国の在り方が問われている。
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