県内のエイズウイルス(HIV)感染者・患者数は、国内で人口当たり3番目の多さ、国内有数の感染拡大地域というから驚きである。
2008年の調査で、県内の報告数は24例。前年の32例に次ぐ過去2番目の多さだ。今年に入り22日までにすでに8例の報告がある。軽視は禁物だ。
特に、県内では男性の同性愛者間の感染が顕著となっている。感染経路の75%が男性同性間である。
男性間の場合、不特定多数の性交渉で感染が広がる危険性が高いとの指摘もある。
県内のエイズ問題のもうひとつの課題が、検査を受ける時点ですでに「発症」しているケースが目立つという点だ。24例のうち、約3割に当たる7例が発症した「患者」で、しかも「患者」の比率が年々増加している。
県内では、20代(11例)、30代(8例)と若い世代の感染者が多いのも特徴となっている。
エイズは、いまだ完治できる特効薬がない難病だ。しかし、発症前の「感染段階」なら発症を薬で抑制できるという。がんなどと同じで早期発見・治療が重要だ。
県は県内6カ所の保健所でエイズの抗体検査を実施している。検査は無料で、しかも匿名で可能だ。中部や中央、南部の3保健所では夜間検査も実施している。
悩むより、迷うより、まず検査である。それは、何よりもまず自分のためであり、大切な人のためであり、社会全体のためでもある。
検査は強いられてするものではなく、あくまでも自分の意思で行うことが前提になっている。
患者や感染者の人権を重視し、検査や治療を促すことを最優先に考えてのことだ。
感染者への差別や過剰反応が感染者の潜在化や自暴自棄の無責任な行動などを招かない狙いもある。
エイズは、性交渉のみならず母子感染や注射器の使い回しも感染のきっかけになっている。
前年に比べ県内の感染・患者報告者数は減少傾向にあるが要は受診者率にある。
受診者数は毎年千人台から2千人台と乱高下している。啓発活動が効果を挙げれば受診率も高まり、感染・発症者の把握と治療効果も高まる。
撲滅の鍵は粘り強い啓発活動と感染・発症者への人権に配慮した手厚い対応だ。身近な問題として県民全体で丁寧に取り組みたい。
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