国が引き起こした戦争によって、沖縄は「鉄の暴風」と形容される砲煙弾雨に見舞われた。筆舌に尽くし難い惨劇の末、20万余の貴い人命が失われたのである。
国が沖縄を「捨て石」にし、多数の住民を巻き込んだ地上戦を繰り広げた結果、大量の不発弾が沖縄にもたらされた。
戦後64年が経過した現在も2300トンが埋もれていると推計されている。少しの衝撃で爆発する不発弾は「地雷」並みの危険性がある。
1月に糸満市で発生した不発弾爆発事故は、沖縄県民が「地雷」同然の爆発物と隣り合わせで生活している実態をあらためて浮き彫りにした。国が、この異常な状態を事実上、放置してきたのは怠慢以外の何物でもない。
不発弾が国策の結果として、沖縄に存在する以上、被害補償はもちろん、探査や処理に要する費用は、公共、民間工事の区別なく、全額国が負担するのが筋だろう。
ところが現実はどうか。市町村などが発注する公共工事では、国が探査費用を負担する制度があるが、民間工事ではすべて自己負担になる。
大丈夫だろうと磁気探査をせずに工事を始めたら不発弾に触れて爆発してしまった―という事態はいつ起きてもおかしくない。
防衛省によると、2008年度に県内で見つかった不発弾は23・7トン。国土の0・6%にすぎない沖縄に、全国で見つかった不発弾総量の56・3%が集中している。この事実一つを取ってみても、不発弾による危険が、他県と比較にならないほど高いことが分かる。
にもかかわらず政府は国民の生命・財産を守るという重大な責務を半ば放棄してきた。糸満市の不発弾爆発事故は、国の無策がもたらした人災と言っても過言ではないだろう。
被害補償について政府は「東京大空襲や原爆なども戦争被害の補償は行っておらず、困難である」との見解を崩していない。
このほど県が新設した県不発弾等対策安全基金に「沖縄特別振興対策調整費」の一部を充当、被害者に「見舞金」を支給することでお茶を濁している。これでは一時しのぎにすぎず抜本的な解決策にはならない。
政府は、一刻も早く自らの賠償責任を認め、被害補償制度を確立すると同時に、すべての不発弾を国の責任で撤去すべきだ。
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