沖縄の離島への自衛隊配備が検討されている。軍隊のいない島々の平和が、脅かされている。
非武装の島々に武装軍隊が入る。新たな軍拡の波が日本全体を覆いつつある。警戒が必要だ。
南西諸島への自衛隊配備強化の動きは、5年ほど前から水面下で論議されてきた。
ここに来て、自民党国防部会が「新防衛計画の大綱」(2010年度から14年度)に絡めて「聖域」に踏み込んできた。
同部会は、下部の防衛政策検討小委員会の提言の形で、島嶼(とうしょ)防衛強化の観点から沖縄の離島への自衛隊配備の必要性を強調している。
離島への自衛隊駐留検討に浜田靖一防衛相も前向きで、議論は加速し配備も具体化しそうな勢いだ。
もっとも政府の中期防衛力整備計画(中期防、2005年―09年度)で、陸上自衛隊第一混成団(那覇、約2000人)の旅団化(約3000―4000人)が進められている。すでに旅団司令部庁舎など4施設の建設費が08年度予算で措置されている。
「離島タイプの即応近代化旅団」を目指す陸自の動きに加え、航空自衛隊もこの3月に那覇基地の主力戦闘機をF4戦闘機からより高性能なF15戦闘機に交代している。
「朝鮮半島有事や急速に軍備を強化する中国への対応」と空自幹部は語っている。発言からは、日中間がすでに「冷戦下」にあるかのような印象すら受ける。
空自幹部は「新たな情勢にも適切に対応できるよう職務にまい進しなければならない」とも訓示している。空自幹部が想定する「新たな情勢」とは何か。よもや「戦争」ではなかろう。
提言で防衛政策検討小委は、敵基地攻撃能力の保有、憲法改正にも論及し、「専守防衛」の放棄、防衛産業への優遇税制の要求など「平和憲法」の精神をことごとく否定してもいる。
米軍嘉手納基地へのF22ステルス戦闘機の恒常的駐留や原潜の寄港増など自衛隊のみならず米軍も南西諸島での軍拡を加速している。
沖縄には「軍は民を守らない」「軍隊のいない島では住民の“集団自決”の悲劇はなかった」との沖縄戦の経験や教訓がある。
軍隊のいない島々に軍隊が必要な時代を誰がつくり、つくろうとしているのか。軍拡の狙いや動きを、しっかりと見抜きたい。
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