かつて日本がそうであったように、大学を卒業して就職できないというのは中国では極めてまれなことであった。一昔前まで大卒という学歴は、良い仕事と高い生活水準を手に入れる「切符」とされていたのである。
しかし、ここ10年ほどで事情は大きく変わってきた。大卒者が増えたことに加え、金融危機などの影響で、就職難は深刻な状況となっている。そのような中、日本語を学ぶ学生が増えているという新聞記事を目にした。彼らが不況をどう乗り切るか模索しているのを私は遠く離れた沖縄で感じ取っていた。
過日、私は外部講師として琉球大学で総合特別講義をする機会にあずかった。講義の後、書いてもらった感想を見ると、公務員志向の学生が多いことが分かる。仕事の向き不向きより安定を優先しているという印象である。
一方、企業側は即戦力たり得る人材を求め、平凡な学生の採用を控える時代となった。選択のミスマッチをなくすため、または就職氷河期を生き抜くためには、同期卒業生より高いスキルを身につけることが大事ではないだろうか。隣にいる同級生は同じ悩みを抱えている仲間であると同時にライバルでもあるという認識は必要だと思う。
7月1日、中国人の個人旅行が解禁になった。中国から多くの富裕層が日本を訪れるようになると、中国語に堪能であることが求人の条件になっていくものと考えられる。英語をマスターすることが、20世紀をリードする決め手であったように、21世紀は中国語を身につけることで時代の先駆けとなり、ひいては就職氷河期を乗り切る力にもなるのではないだろうか。
未来の選択、それは時代を読み、はっきりした目標と強い精神力をもって、自らスキルを高めることから始まる。
(佐藤未雲、スペースチャイナ代表取締役)
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