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BPO勧告 誤報生む番組の構造的欠陥2009年8月3日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

 真相を追求するはずのテレビ番組が、事件を捏造(ねつぞう)する。本末転倒の事態である。
 同じ報道の世界に身を置く者として、他山の石としたい。
 そもそも「裏取り(裏付け取材)」は、報道の基本だ。その裏取りがまったくないままに報道テレビ番組が制作、放送され、重大な誤報事件となっている。
 事件は日本テレビの報道番組「真相報道バンキシャ!」で起きた。同番組は昨年11月に、元建設会社役員の証言をもとに岐阜県の裏金問題を報じたが、証言は根拠のない偽証で、事実無根だった。
 日テレは岐阜県に謝罪し、今年3月には放送法に基づく訂正放送を行っている。社長は引責辞任し、報道局長も役職罷免の処分を受けた。しかし、事件はそれでは終わらなかった。
 訂正放送は、元建設会社役員の偽証による「日テレも被害者」の側面が強調されたからだ。
 問題は放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会の審査に付され、BPOは先月30日、番組制作の体制に誤報を生む構造的欠陥を指弾し、日テレに対し検証番組の制作と放送などを求める異例の勧告を行った。
 BPOは元役員の証言が「裏金口座の届け出住所が元役員の自宅になっている」など何度も真偽を確かめる機会がありながら裏取りや検証を怠った事態を重視した。
 取材から放送まで1週間という番組制作期間の短さも不十分な取材、裏取りの甘さを生む「根本的な原因」と指摘された。
 取材協力者を募集サイトで求める「安易な情報収集」が虚偽の情報を呼び込むすきをつくり、制作会社任せで幹部スタッフは誰も現場に行かない制作体制が「誤報を見抜けない」構造的欠陥とされた。
 最初にテーマという「型」を決め、型に合わせ事実を選択し、番組を作る。「流し込み」と呼ばれる手法だ。
 関西テレビの人気番組「発掘!あるある大事典II」も、納豆のダイエット効果の根拠とした血液検査結果を捏造し打ち切られた。
 「真相報道」が売りの報道番組が、第三者機関に真相究明を求められる。恥ずべき失態である。
 日本を代表するテレビ局だ。徹底した検証番組で真相を明らかにし、視聴者の信頼を回復する自浄作用を十分に発揮してほしい。


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