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2009年8月16日

 全国2例目となる裁判員裁判の判決がさいたま地裁で言い渡されたが、記者会見で裁判員の発言を制止した地裁の対応が波紋を広げた
▼「まだ30代半ばなので十分にやり直しが利く」。裁判長が被告人を諭した言葉をめぐり、記者が「皆さんの気持ちを代弁したものか」と質問。答えていいかを尋ねた裁判員経験者に職員が首を振り、この人は発言を控えた
▼地裁は「評議内容にかかわり、守秘義務違反の恐れがある」と言うが、果たしてそうか。守秘義務の最たる対象は刑の重さとその理由だ。言い渡しを終えた後、裁判官が自らの人となりをにじませながら更生を促す説諭にまで秘密を課すのは行き過ぎに思える
▼裁判員制度の最大の狙いは、市民感覚を刑事裁判に取り入れることにある。これまでの2件の判決を見ると、予想されたこととはいえ、守秘義務が壁となり、量刑を決める肝心の評議の内容を一切知ることができない
▼市民の常識がどう反映されたかという核心が伝わらないままでは、逆に制度から国民を遠ざけ、改革の功罪を検証する材料不足に陥ってしまう。裁判員を特定しない形で評議の概要を公表するなど、守秘義務の重さと在り方を改める議論が必要ではないだろうか
▼那覇地裁でも判決後に裁判員経験者が会見することが決まった。裁判員の肉声を過度に封じることがないよう望みたい。


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