社説 RSSicon

スー・チー氏軟禁 各国が結束して解放迫れ2009年8月16日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

 ミャンマーの民主化運動を率いるアウン・サン・スー・チーさんが再び自宅軟禁された。軍事政権は裁判の判決に基づく措置と強弁するが、スー・チーさんを民主化運動から遠ざける政治弾圧は明白だ。各国が国連を中心に、解放に向け強く働き掛けるべきだ。
 スー・チーさんは米国人を許可なく自宅に迎えた国家防御法違反で禁固3年の有罪判決を受け、軍政は減刑を名目に1年6月の自宅軟禁とした。
 これに対し国連の人権専門家は、同法が無効となった旧憲法に基づくもので有罪判決は「法的根拠がない」と批判し、各国が相次ぎ非難の声明を発表している。
 ミャンマーは民主化を求める国際圧力を受け来年、20年ぶりに総選挙を予定する。国連の要求により政治犯の恩赦の手続きを進める意向を示すなど、このところ対外的に柔軟な姿勢を見せていた。
 今回の軟禁処分はこうした民主化と自由で公正な選挙に向けた動きに逆行するもので、民主化指導者スー・チーさんの活動を封じ、軍政の存続に有利な選挙結果を意図したものとの批判を免れない。
 国連安全保障理事会は13日、スー・チーさんの有罪判決に対し「深刻な懸念」を表明し、「すべての政治犯の釈放」を要求する声明を発表した。
 軍政下のミャンマーは2008年の1人当たり国民総生産が462ドルとアジアの最貧国の一つ。人権、言論抑圧への批判とともに、最近は北朝鮮からの武器輸入や核関連物資を積載した疑いがある船舶がミャンマーから同国に引き返すなど、北朝鮮との関係が国際社会の懸念を招いている。
 同国がこれ以上、国際的な孤立を深めることは国家の発展をさらに遅らせる。国民に不幸を強いるだけだ。
 各国と良好な関係を築き正常な国家運営に立ち戻るためにも、スー・チーさんや政治犯を解放し、自由、公正な総選挙の実施に道筋を示していくべきだ。
 長年の軍事政権から民主政権への転換は容易な道のりではない。これを後押しするには各国が結束し国際圧力を強める必要がある。
 今回の国連安保理の声明は、軍政を支持する中国の要求で当初案の「非難」の文言が「懸念」に弱められた。各国の足並みの乱れは国際圧力を弱める。各国の協調と一致した行動が不可欠だ。


次の記事:>>
アイコン 今日の記事一覧 アイコン 今月の記事一覧 アイコン 最近の人気記事


関連すると思われる記事

powered by weblio


社説一覧


過去の記事を見る場合はこちらをクリックするか、 ページ右上のサイト内検索をご利用ください。