米軍普天間飛行場の代替施設建設に伴う環境影響評価(アセスメント)手続きで方法書や準備書作成をやり直すよう求める行政訴訟が那覇地裁に提訴された。アセス手続きの不備を訴える全国初の訴訟だ。県民の意見が分かれる普天間代替施設の建設につながるものだけに訴訟の動向を注視したい。
土地の形状の変更や工作物の新設などで環境にどう影響を与えることになるのか。その影響についてあらかじめ調査、予測、評価を行い、環境保全の観点でよりよい事業計画を作成するのが環境アセスだ。これを正しく進めなければ環境への負荷は大きく、わたしたちの暮らしにも影響を及ぼす。
事業者である沖縄防衛局はアセス方法書作成前に事前調査を進めていたほか、方法書になかったヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設が準備書の段階で明らかになった。このような対応や変更がある中で、そのままアセス手続きを進めることは妥当なのか。
環境影響評価法(アセス法)では、事項の修正には手続きを経ることを求めている。ただし、事業規模の縮小や軽微な修正などではやり直す必要性はないとしている。
訴訟では、ヘリパッド建設の追加が軽微なのかという点も争いの要件となろう。
原告は、ヘリパッド建設が追加修正されたため、それに対する意見を述べる機会を失ったとしている。後出し資料に対して、判断するための相当な準備も必要だ。
原告は普天間飛行場移設に反対するヘリ基地反対協議会メンバーやアセス手続きを問題視するアセス法や環境問題に詳しい専門家ら344人。
弁護団は、訴訟の目的として名護市辺野古への新たな基地建設阻止を挙げる。基地建設を前提とした違法なアセス手続きだと指摘する。アセスは、国民に対する処分行為ではなく、裁判で違法性が認められたとしても強制力はない。だが、国にアセスを適正に進める責任は問われてくる。
基地建設阻止をにらんだ訴訟ではあるが、環境に配慮するためのアセス法の趣旨が適切に取り扱われているかどうかを判断するためにも重要な訴訟といえよう。
アセス手続き中の不当性が裁判で争えるのか。初の訴訟に対する裁判所の適切な判断を求めたい。
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